アメリカ軍基地のトイレで女性を襲い性的暴行を加えたなどとして、警察が20代のアメリカ海兵隊員を不同意性交等の疑いなどで書類送検していたことが今月23日に明らかになった問題。
繰り返される性暴力事件に県民から怒りの声が聞かれました。
警察などによると事件はことし3月、20代のアメリカ海兵隊員が、基地内のトイレで基地従業員の成人女性に性的暴行を加えたというものです。
この海兵隊員は助けに入った女性にも暴行しけがをさせた疑いがもたれていますが、日本の警察には逮捕されず、アメリカ軍に身柄を管理されています。

(沖縄市)
「またか…」
「女性にとっては怖い話」
(那覇市)
80代「残念というより、何といいますかね。分かりません、もう。日常茶飯事みたいな感じを受けます」
70代「アメリカ軍がちゃんと教育指導しないから、こういうことになっているんじゃないか」
事件には別の問題も。
警察はこの海兵隊員を今月7日に書類送検し県に情報提供していましたが、事件は一部報道機関が報じるまで県民に知らされませんでした。
玉城知事
「被害者の心情をおもんぱかって、表にしてほしくないということも要望があったので」「この間は私たちも米側に特段の要請は求めておりませんでした」

先週金曜日には、再びアメリカ兵による性暴力事件が起きたことが県民に知らされないまま、アメリカ軍と県警などの合同パトロールが行われ、玉城知事も参加していました。
玉城知事
「関係者が一体となって地域を守る、市民を守る、県民を守る」
米海兵隊太平洋基地司令官ブライアン・ウォルフォード少将
「この協力関係は持続的な安定を築き、米軍と沖縄の人々との絆を強化するために重要だ」

再発防止策を強調する一方で、事件が起きても知らせようとしない対応は妥当なのか、県民からは疑問の声も上がっています。
(那覇市)
60代「(公表しないのは)おかしい」「ちゃんと県民に知らせて、県民どころか日本国中に知らせないといけないことだ」
60代「あれもただ、表向きだけのパトロールの感じがして、届いていない感じがします」
女性の権利を守る活動に取り組んできた伊良波純子さんは、「知らされないことの弊害」を指摘します。
県女性団体連絡協議会・伊良波純子会長
「身元が知られないように十分配慮しながら(事件を公表することは)できると思う」「知ることによって、(性犯罪を)防止したりとかありますよね。そういうのもとられないと思うと、知らさないことの弊害も大きいと思う」「ただ知らせないではなくて、なんとかして、みんなに知らせる必要があると思う」
何度も破られてきた、再発防止の約束。次の被害者を生まないという本気度が問われています。
この事件のほか、1月には別の20代のアメリカ海兵隊員が知人の成人女性に性的暴行を加えたとされる被害申告もあり、不同意性交等の疑いで書類送検されていましたが、那覇地検は24日、この事件の海兵隊員については不起訴処分としました。
那覇地検は不起訴の理由を明らかにしていませんが、「事件関係者のプライバシーを考慮した」と説明しています。