ローマ教皇フランシスコの死去を受け、世界中に悲しみが広がっています。12年の在任期間、弱者に寄り添ってきた教皇は何を訴えてきたのでしょうか。

記者
「バチカンのサンピエトロ広場の前ですが、先ほどまで追悼式典が開かれていたということで、多くの信者らが訪れています」

21日に88歳で死去したローマ教皇フランシスコ。亡くなる前日までミサに参加していました。

ローマ教皇フランシスコ
「ハッピー・イースター(復活祭おめでとうございます)。これから私のメッセージが読み上げられます」

死因は脳卒中や心不全などと発表され、教皇の突然の死を多くの信者らが悼んでいました。

信者
「貧しい人々のために多くの扉を開け、移民のためにも努めてくれました。天からも私たちを見守ってくれるでしょう」

12年にわたってカトリック教会のトップを務めた教皇フランシスコ。その暮らしぶりはアパートに住み、公共交通機関を利用するなど質素で、公開された遺書には、簡素な埋葬を望むということも書かれていました。

2019年には教皇として38年ぶりに来日。「核廃絶」を訴えるために、被爆地の広島・長崎を訪問しました。

ローマ教皇フランシスコ
「核兵器から解放された平和な世界は、あらゆる場所の数え切れない人々が熱望するものです」

また、ウクライナ侵攻が始まった時には。

ローマ教皇フランシスコ
「なによりもロシアの(プーチン)大統領に訴えます。自国民のことも考えて、この暴力と死の連鎖を止めるよう、それを切に願っています」

ウクライナのゼレンスキー大統領は、「ウクライナの平和と人々のために祈ってくれた」と謝意を示しました。

教皇の死を悼む声は、世界各国からも…。

教皇フランシスコの遺体は23日にもサンピエトロ大聖堂に移され、信者らが最後の別れを行うことになっています。