「改正育児・介護休業法」が10月に施行され、男性の育児休業が大きく変わりました。
従来は、子どもが生まれてから1歳までの間に原則1度だけ取得できました。


まず変わったのは「産後パパ育休」の導入です。この制度では、子どもが誕生してから8週の間に最大4週分の休みを2回までに分けて取得できます。


もうひとつの変更点は、育休を分割して最大2回まで取得できることです。夫は「産後パパ育休」を2回、従来の育休を2回、合わせて4回まで取得することができるようになりました。


ただ、国の調査では男性の育休取得率は、13.97%と目標とする「2025年までに30%」には程遠いというのが現実です。


そうしたなか、福島県内では男性が積極的に育休を取得している企業があります。どのような取り組みをしているのか聞いてきました。

今回、訪れたのは、600人余りの社員が働く福島トヨペットです。これまでに67人の男性社員が育児休業を取得してきました。

宮本晃爾さん。9年前に、社内で初めて男性の育休を取得しました。

4人の子どもがいる宮本さんは、これまで子どもが生まれた際、それぞれ1か月の育休を取得しています。

4回育休を取得した宮本晃爾さん「育休取ってよかったです。子どもとの絆もありますし、奥さんの負担を減らすためにも子どもとより仲良くなるためにも取ったほうがいいのかなと思います」

宮本さんは、育休で重要なのは、いつ、誰が休んでも大丈夫なように、一つの仕事を誰でもできるようにする環境だと話します。

宮本さん「この人がいなければ何もできないというのをなくす感じでやっていけると、誰かが抜けた穴も埋めやすいのかなと思います」

一方、こちらは取材した日の2日後、育休に入った田中祐輝さんです。

今週から育休を取得した田中祐輝さん「まだ生まれて3週間ほどなので、奥さんがまだ大変な状況でもあるので、育児をサポートしていきたいと思います」

この秋、第一子が生まれた田中さん。育休を取得した男性社員が多いことが自身の育休を後押ししたと話します。

田中さん「周りに宮本さんとか取得された方がいるので、そういった先に取得した人がいたというのが一番だと思います」

福島トヨペットでは、育児休業を取得した社員はレポートを提出し、育休のメリットなどを全社員に共有する取り組みも行われています。

それでも、企業側は人手不足に悩むこともあると思います。最近では大手保険会社が企業向けの「育休対応の保険」という新たな保険商品の販売も始めています。

従業員が産休や育休を取得した企業に対し、代わりの人材の採用費用や育休取得者が職場復帰後に子育てしながらテレワークできる環境整備をするための費用などを補償するというものです。


新制度ができることはいいことですが、制度を利用しやすい環境を企業側が整えていくことも必要です。育休を取得しやすい「職場の空気づくり」が重要になってくるともいえそうです。