ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのプーチン大統領は、キリスト教の復活祭=イースターにあわせた一時停戦を一方的に表明しました。ただ、ゼレンスキー大統領は停戦時間が始まったあともロシアが攻撃を続けていると指摘しています。

ロシア・プーチン大統領
「人道的配慮から、ロシア側は本日(19日)午後6時から月曜日(21日)午前0時まで、イースター(復活祭)にあわせた停戦を宣言する」

プーチン大統領は19日、イースターにあわせ、日本時間の20日午前0時から21日午前6時までの30時間、すべての軍事行動を停止するよう軍に命じました。ロシア国防省は停戦についてウクライナ側も応じることが条件だとしています。

プーチン氏は「ウクライナ側が和平交渉プロセスに参加する用意があるのか、意欲と能力を示すものになる」と強調。アメリカのトランプ大統領が交渉の停滞にいらだちを示す中、ロシアは一時停戦の表明によってトランプ氏の意を汲んでいる、との姿勢を見せて、ウクライナ側に問題があるという構図を作っています。

そのウクライナのゼレンスキー大統領はロシアが「無条件かつ完全な停戦」を実行するのであれば応じる考えを示しました。また、実現した場合でも30時間では信頼を醸成するには不十分だとして、ロシア側に期間を延長するよう求めています。

ただ、ゼレンスキー氏は停戦開始としてきた時間以降もロシア軍が攻撃を続けているとして「ロシアは停戦を完全に順守しなければならない」と要求しています。

こうした中、ウクライナとロシアは19日UAE=アラブ首長国連邦の仲介のもと、246人ずつ捕虜の交換を行いました。

これに加えて、ウクライナ側は緊急の治療を必要とするロシアの軍人15人を解放し、ロシア側は、負傷したウクライナ軍人の捕虜31人を解放しました。

ウクライナの捕虜問題調整本部は「過去最大規模の捕虜交換」としています。