この冬、福島県の会津地方を襲った記録的な大雪は、農業面で深刻な被害をもたらしました。昭和村では、名産のカスミソウ栽培に影響が出ています。
関根佑記者「記録的な大雪から2か月が経った今でも、雪は50センチほど残っています。カスミソウの名産地昭和村ではハウスに大きな被害が出ました」
雪の重みで折れ曲がったビニールハウスの骨組み部分。4月中旬を迎えた今も、あたり一面が白く染まっている、昭和村のカスミソウ畑です。

村とその周辺地域の生産者が栽培しブランド化されている「昭和かすみ草」。年間およそ600万本の出荷数を誇り、夏から秋にかけての出荷本数は日本一です。その美しい見た目と日持ちの良さが市場で評価されています。しかし…。

カスミソウ農家・高野凌輔さん「雪が全部埋まるくらいになって、(ハウスの上部が)かすかに見えるくらいまで積もってしまった」
今年2月の記録的な大雪で、昭和村には住宅の1階部分が埋まれてしまうほどの雪が降り積もりました。この影響で、村のカスミソウ農家・高野凌輔さんの畑では、ハウス6棟が雪の重みでつぶれてしまい、およそ130万円の被害が出ました。

高野さん「見た後の1週間くらいは正直魂抜けたような…来シーズンどうしようかなと、だいぶへこんでいた」
JA会津よつば管内では、この雪で3月までにカスミソウを栽培するためのハウスおよそ340棟に被害がありました。
高野さんによると、これまで冬の時期はハウスを畳まず、そのままにしていても骨組みに問題はありませんでしたが、今年は例年にない大雪が長時間にわたって降り続き、骨組みが崩れる前に除雪できる状況ではなかったといいます。それでも、高野さんは、5月下旬に控えた苗植えに向けて新たにハウスを購入し、再建を目指しています。

高野さん「最初は今年あきらめようかなと思ったが、昭和村の中にも助けてくれる人がたくさんいてそういう人のためにも絶やしてはいけない。この村を維持するためにも力になりたい」
JA会津よつばでは、3月から倒壊したハウスの撤去作業の支援を始めています。