棚田で活躍の「球体除草ロボット」
次は、熊本県立大学で開発が進むロボットです。
熊本県立大学 環境共生学部 松添直隆教授「棚田で活躍する球体除草ロボットです」

水田の雑草を自動で取り除くという、画期的なロボット。松添教授が、熊本高専などと連携し約5年、研究開発を進めてきました。
中山間地域で農業を営む生産者の負担軽減を目的に開発。水田内を自律走行し、雑草を除去します。

松添教授「棚田の除草は、今は手作業で行われている。農家の高齢化や担い手の減少などで、棚田の除草ができなくなっている。棚田を守るためには、雑草を防除するロボットが必要だと考えて開発を始めた」
ロボットの重さは約3キロで、田の畔や柵を認識して自律走行します。球体表面のくぼみで、土壌の雑草をかき出す仕組みです。

実験では、水田のやっかいな雑草、ヒエとコナギが見事に取れていました。
松添教授「雑草を除去して、稲は傷めない」
熊本県山都町で有機農業に取り組む野口さんは、生産者として除草ロボットの開発に協力し、大きな期待を寄せています。

生産者 野口慎吾さん「田植え後の初期から除草ロボットを使用すると、ほぼ雑草がなくなるという実験データも出ているし、現場でも実証はしているので、ロボットの良さを実感しているところです。農家が待望のロボットになっていると思います」
「球体除草ロボット」は、6月9日~11日に大阪・関西万博の「TEAM EXPOパビリオン」で展示される予定です。

松添教授「国内はもとより、海外の人たちにも、棚田の素晴らしさと、棚田を守っていくためには除草が大事だという農業の苦労も知ってほしい」