多くの日系企業が進出する東南アジアへの「相互関税」は軒並み高い税率とされていて、動揺が広がっています。
マレーシア アンワル首相
「関税の嵐が猛烈な勢いで世界中を駆けめぐるなか、我々は国際秩序のほころびを目の当たりにしている」
トランプ関税に対し、こう危機感を示したのは、今年のASEAN議長国・マレーシアのアンワル首相。
「相互関税」は、カンボジアが49%、ベトナム46%、タイ36%などと軒並み高い税率で、東南アジア各国に衝撃を与えました。
記者
「世界有数のコメ生産国であるタイ。主は輸出先はアメリカでしたが、トランプ関税によって大きな危機に直面しています」
アメリカで去年輸入されたコメのうち、およそ6割がタイ米でしたが、トランプ関税によって少なくとも80億ドル=日本円で1兆円あまりの損失が出るとの試算もあります。
WONNAPOB タンヤワン・パッタポンCEO
「タイがここまで大きな打撃を受けるとは想像していなかった」
この生産業者はすでに販路の多角化を検討していて、主なターゲットは日本です。
WONNAPOB タンヤワン・パッタポンCEO
「日本が米不足の影響でタイ米の販売量が大きく伸びています」
そもそも、東南アジア諸国が高い関税になったのは、中国からの生産移転が進んだため。米中の貿易摩擦などを背景に、中国企業が関税回避のための迂回ルートとして、タイやベトナムなどへの生産シフトを加速。
日本など各国の企業も、中国依存から脱却する「チャイナプラスワン」の戦略を進めたことで、東南アジアの国々は対アメリカの貿易黒字が続き、「トランプ関税」の標的になった格好です。
記者
「タイ政府がトランプ関税への交渉材料として考えているのが、タイ航空が進めているボーイング機の調達計画です」
タイ航空は、アメリカのボーイング社が製造する航空機を45機購入する計画で、現地メディアは、アメリカ製品の輸入拡大などが交渉の材料になるとの見方を伝えています。
また、すでにアメリカとの交渉を始めたベトナムは、アメリカ製品の輸入関税をゼロにする協議を行う方針です。
東南アジアに進出する日系企業への影響は。
ジェトロ バンコク事務所 藪恭兵 広域調査員
「新たな投資を行ってリスクを回避していくという動きも想定されるわけですけれども。世界のどこに生産拠点やサプライチェーンを張っても、ある程度の打撃はもうやむなしといったところの姿勢が出ている」
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