3月のフィギュアスケート世界選手権、男子シングル連覇を果たしたイリア・マリニン(20、米国)が9日、木下アカデミーアイスアリーナ(京都府宇治市)で練習を公開した。マリニンは5日から始まったアイスショー「スターズ・オン・アイス」(大阪、札幌)へ出演のため来日しており、17日開幕の国別対抗戦(東京)に向けて現在は日本で調整を行なっている。

身振り手振りで“ジャンプの極意”伝授

公開されたこの日は、3日間行われた練習の最終日。世界ジュニア選手権3連覇の島田麻央(16、木下グループ)や世界選手権銅メダルの千葉百音(19、木下アカデミー)らに、マリニンが身振り手振りでジャンプの極意を伝授。

マリニンは“お手本”で4回転ルッツを披露

練習を振り返り、「言語の壁がある中でも、彼女たちは学ぶのが早く自分の技術に落とし込むのが上手い」と日本人選手のポテンシャルの高さに驚きを見せた。

「トリプルかなと思うジャンプが全部4回転」

将来、4回転トウループに次ぐ新たな4回転ジャンプの習得を目指す島田は、マリニンの母でコーチのタチアナさんからもマンツーマンでレッスンを受け、ルッツとサルコウの基礎を再確認した。その最中にタチアナさんがマリニンを呼び寄せると、マリニンはお手本と言わんばかりに4回転ルッツを披露。“4回転の神"と称される世界王者のジャンプを目の当たりにした島田は「トリプルかなと思うジャンプが全部4回転なので、やっぱりすごいなと思った。ジャンプ力だけでなく効率の良い跳び方をしているので、そこを真似できたら」と収穫を口にした。

マリニンの母・タチアナさんのレッスンでマリニン本人が“お手本として”呼び寄せられる

マリニンと同じく国別対抗戦に出場する千葉は、ショートプログラムの曲をかけて練習。マリニンから「フリップの入りが窮屈そう」と指摘された千葉は、回る前の余裕の持たせ方について「ほぼボディランゲージで」指導を受けたと言うが、「自分でやってみて理解できたので、イメージを伝えるのがすごく上手」と称えた。

「イメージを伝えるのがすごく上手」身振り手振りを交えた世界王者の指導

世界王者からのアドバイスを受けた未来のエース候補たち。今後の活躍に注目だ。