1946年に創部した雪印メグミルクスキー部は、これまでに長野五輪で団体金メダルに輝いた原田雅彦氏(現:アドバイザー)をはじめ、岡部孝信氏(現:スキー部総監督)や清水礼留飛氏など、多くのオリンピアンを輩出。スキージャンプ界を牽引する名門です。
10日、雪印メグミルクスキー部は札幌市内で記者会見を行い、五輪シーズンとなる2025年の新体制を発表しました。
2014年のソチ五輪で団体銅メダルを獲得した伊東大貴氏を新監督に抜擢。さらに2023年まで雪印メグミルクスキー部で選手として活動してきた原田侑武氏をコーチに配置しました。

さらに、記者会見では、創部79年で初となる女性選手の加入を発表。これまでCHINTAIスキークラブに所属していた、一戸くる実選手(20)が新たにチームに加わりました。
・伊東大貴新監督
「女子ジャンプは現在、オリンピック種目でワールドカップでも種目があります。弊社スキー部の目標というのは世界一と、オリンピックでメダルを獲ることなので、そこに女子競技がある以上、女子選手の強化をしない理由はない。今年度から強化に当たるということになりました」
「一戸選手は女子選手の中では身長も高い選手ですし、ダイナミックな動きをするジャンプ、鋭いテイクオフというところが魅力的だと思います。」
一戸選手は、千葉県出身の20歳。今年2月のワールドカップでは初のトップ10入りを果たし、女子ジャンプ界で期待のニューフェイスです。
「オリンピックでメダルを獲得する」という夢を叶えるため、雪印メグミルクスキー部への入部を決断したといいます。

・一戸くる実 選手
「(入部の決め手は)夢に1番近づけられる場所だなと思ったからです。世界で活躍する選手になる、オリンピックでメダル獲得する選手になるというためには、近年の女子ジャンプ界では男子のような動きをしないと勝てないようになってきています」
「私の中でやってきた女子のジャンプではなくて、やはり男子選手から色々な技を盗んで、技術を真似して、男子に近いことをやっていかなければいけない中で、長い歴史を持った雪印メグミルクのチームに入って、その技術を一番近くで盗んで一緒にやっていけることを1番楽しみにしています」
競技を始めて11年。ミラノ・コルティナ五輪のシーズンに所属先を変更するという異例の決断を、一戸選手自身は前向きに捉えています。

・一戸くる実 選手
「一番大きな決断だったんですけど、新しいチームになったからには変化を恐れず、五輪を視野に入れながら、新しいコーチの話をちゃんと吸収して、進化していきたいなと思っています」
「(雪印メグミルクスキー部に)女子が入るという選択肢がそもそもなかったので、そんなところから話をもらえて、本当にワクワクとうれしい気持ちでいっぱいです」
取材陣から「よく食べる雪印メグミルクの商品は?」と聞かれた一戸選手は、ヨーグルトの『牧場の朝』と回答。
「小学生の時に給食でそれが出たら、おかわりで残ったものを全部食べるぐらい大好きです」と早速会場を沸かせました。
雪印メグミルクスキー部は男子7人、女子1人の計8選手で新体制をスタートさせます。