特集は、3日後に迫った那覇市長選挙についてです。今回 RBCでは、那覇市長選挙に立候補している、翁長雄治さん、知念覚さんの 2人の候補をお招きして、那覇市の課題に対する認識や、市政運営のビジョン・政策について聞く、合同インタビューを実施しました。

合同インタビューは告示前の 10月13日に行いました。最初にお聞きしたのは市政運営のビジョンについて。

知念候補
「私が掲げるビジョン『輝く那覇』でございます。第 5次那覇市総合計画では、未来への視点として、「繋がる力を広げる視点」「稼ぐ力を高める視点」「ひきつける力が輝く視点」を据えております。将来を展望すると、この三つの視点がとても重要なものとなります」

那覇市の行政の根幹である「総合計画」で掲げる、未来への3つの視点を市政運営のビジョンとする知念さん。那覇市の底力を強め、総合力のまちづくりを目指します。

翁長候補
「子どもたちが最優先される那覇市を私は作っていきたい。子どもたちの環境、それはすなわち私たち大人です。私たち大人がしっかり幸福に満ち、そして夢や希望に歩む姿を子どもたちに見せることが最大の子どもたちへの支援であり、教育であると私は考えています」

「子育て日本一の那覇市」をスローガンに掲げる翁長さん。子どもに関わる大人や高齢者までが明るく生きるまちづくりで、人口増加など、那覇市の将来的な成長に繋がると話します。

那覇市の現状についての認識は、両者で捉え方が異なりました。

田久保アナ
「ここを伸ばしたいと思う、那覇市のいいところを教えてください。また、逆にすぐに解決したいと思う課題についても教えてください」

知念候補
「一言で『包摂』という言葉で表現させていただきます。経済循環を向上させるとともに、思いやりの心が広がる仕組みを作り、セーフティーネットを強化いたします。また子どもの健全な成長と人材育成を主眼に、子育て環境を強化するとともに、都市基盤分野では、土地利用が促進される施策を展開し、エリアの付加価値を高めてまいります。各分野は単体ではなく、相互に重ね合わせた包摂的な取り組みであり、相乗効果を広範囲に発現させたいと考えております」

翁長候補
「まず良いところ、これは、伝統・文化・芸能そして工芸等におけるものです。那覇市には全国 112名いる人間国宝のうち 6名が那覇市にいらっしゃいます。次に、課題についてですが那覇市だけの視点ではなく、他市町村との連携、通勤通学による、午前中そして夕方の渋滞。こういったものは、他市町村の皆さんが、公共交通を利用しやすい、そういう那覇市をつくっていく必要が私はあろうかと考えております」

候補者間で、政治姿勢や政策に関する討論も行いました。翁長さんは、辺野古移設に対する知念さんの政治姿勢を質しました。

翁長候補
「政府が、沖縄の問題、名護そして辺野古という意味に矮小していくというものは、私たち沖縄県民としては、これは受け入れがたいものです。政治家としてどのように考えているかを伺いたい」

知念候補
「私のスタンスは一貫しております。今回『那覇市長選挙』です。私は那覇のスタンスでと、那覇の視点でと常々申し上げました。一方、辺野古という限定されたものになれば、そこには名護市という当事者がおられる」

知念さんは、全県的な基地の整理縮小は求めるとしたうえで、名護市民に選ばれた渡具知市長のスタンスを尊重したいと述べました。

一方知念さんは、市の総合計画で遅れている点に対する施策について翁長さんに質しました。

知念候補
「やはり遅れてるものをしっかり回復させていかないといけない。『まちづくり』という大括りではなくて、どの部分が今遅れていて、どういうことに力を入れていかないといけないのか」

翁長候補
「コロナの中で子どもたちが非常に取り残されつつあると。様々なイベントであったりとか、学校の教育の中でも私は出てきてると思います。この子どもたちのことをしっかり手当てしていくことが、今コロナ禍からの脱却という意味でも必要なものではないかと考えています」

翁長さんは、那覇市が進める地域コミュニティのつながり、小学校区まちづくりの課題の解決に取り組んでいく、と答えています。

両候補は40分あまりにわたる合同インタビューでは、子育て政策の財源確保に対する姿勢や、政策協定を結んだ内容への取り組み方など、今お見せした以外にも様々な討論、質問に答えています。RBCニュースの YouTubeで全編を公開していますので、ぜひご覧ください。