イスラム組織ハマスは、パレスチナ自治区ガザで拘束している人質のうち、新たにアメリカ国籍の男性を解放すると発表しました。

ハマスは14日に声明で、アメリカ国籍を持つイスラエル兵の男性1人を解放し、さらに4人の遺体を返還すると発表しました。イスラエルメディアによりますと、この4人について、アメリカ国籍を持っている可能性があるということです。

アメリカ国籍の人質の解放をめぐっては、トランプ政権が5日、ハマスと異例の直接交渉を行っていることを明らかにしていて、ハマスがアメリカの要求に応じたものとみられます。

停戦合意の交渉についてハマスは、恒久的な停戦を含む第2段階への移行を改めて訴えましたが、イスラエルは暫定的な停戦の延長を求めていて、膠着した状態が続いています。

こうしたなか、トランプ政権で中東担当特使を務めるウィットコフ氏は14日に声明を出し、ハマスに対して12日に新たな停戦案を提示したことを明らかにしました。

この案は、来月下旬まで暫定的に停戦を延長し、その間にハマスが人質を解放する見返りに、ガザへの支援物資の搬入を再開する内容だということです。

中東アルジャジーラによりますと、ハマスはこれに対して、イスラエル軍のガザからの即時撤退などを条件に求めたということで、ウィットコフ氏は声明で「ハマスは実現不可能な要求をすることを選んだ」などと非難しました。

そのうえで、「期限が過ぎれば、我々は相応の対応を取る」とも警告し、ハマスに譲歩を迫りました。