宮崎市糸原にある宮崎刑務所です。
刑務所の役割などについて広く知ってもらおうと報道陣に施設内が公開されました。

(丸山記者)「こちらは受刑者が寝食を過ごす部屋なんですが、外には食事を出し入れする小窓がついています」

14日、報道陣に公開された宮崎市の宮崎刑務所の内部。福吉正幸所長が施設の概要や刑務官の業務について説明しました。
居住スペースでは開設151年の刑務所ならではのシステムも。

(宮崎刑務所・福吉正幸刑務官)「職員を呼びたいときにこうすると、受刑者が職員に用事があるんだなということが刑務官に分かるようになっているシステム。これも明治時代から昔から同じようなシステム」

一方、講堂では。

(宮崎刑務所・福吉正幸刑務官)「こちらは講堂用のイスになります。実はこのイス3つにつながっています」

講堂にあるこのいすは、3つをつなげることで簡単に持ち上げられないようにし、受刑者たちのトラブルを防いでいます。

そしてこちらは、受刑者たちが平日の30分間、自由時間を過ごす運動場です。刑務所内にはトラブルや急病など緊急事態に備えて非常通報システムがいたるところに設けられ、そのシステムが作動すると…。

対応できる刑務官全員が2分以内に現場に駆け付けます。

受刑者の更生のほか社会復帰を促す役割も担う刑務所では、工場での作業のほか、国家資格の造園技能士3級の訓練を受けることができます。

宮崎刑務所は現在、133人の受刑者を収容していますが、収容人数の減少や施設の老朽化などを受けて来年3月末には廃止され、2026年度からは宮崎拘置所が新設されます。

福吉所長は、残り1年、刑務所としての役目を果たしたいとしています。

(宮崎刑務所・福吉正幸刑務官)「受刑者の心の問題、それから特性、そして何が社会復帰を阻害しているかといった要因分析こういったところを1人1人丁寧に進めて誰一人取り残さない福祉的支援を含めて全所挙げて取り組んでまいりたい」