今後30年間に、発生確率が70%とされている「首都直下地震」。首都直下地震による火災の被害想定についてお伝えします。
大事なのは「初期消火」 目の高さより低い火を消すこと

南波雅俊キャスター:
首都直下地震の火災の被害想定は、最大で約41万2000棟が焼失となる見込みです(内閣府HPより)。特に、木造家屋が密集している世田谷区は1万9989棟、大田区は1万8884棟、江戸川区は1万5194棟、足立区は1万3546棟と、より大きな被害が想定されています(東京被害想定マップHPより)。
そして、火災によって亡くなる人の数は最大で約1万6000人と想定されており(内閣府HPより)、死者全体の約7割と考えられています。
井上貴博キャスター:
Nスタでは墨田区を取材しましたが、各自治体は区役所が使えなかったときでも二重三重のバックアップを考えています。
南波キャスター:
私たち個々で対応していくうえでは、どのようなことが重要なのでしょうか。

地震による火災発生は、暖房器具に可燃物が接触したり、電気配線の破損したりすることが出火原因になることが多いです。日本防火技術者協会の関澤愛理事長によると、大事なのはやはり“初期消火”、火元で鎮火することだといいます。
まずは、子どもや高齢者を避難させてください。そして、消火するのは目の高さよりも低い炎です。
炎は目の高さぐらいまで来ると、一気に天井まで燃え上がっていくため、目の高さまで来たらすぐに避難を開始しなくてはいけません。「天井に届きそうな火」というのは、一気に周りに燃え広がる危険性もあるといいます。