熊本県山鹿市は3月7日、市が保管していた有害物質を含む電気機器が盗まれたと発表しました。
盗まれたのは、山鹿市が保管していたコンデンサー1台です。
山鹿市は、市が所有する施設の解体工事をする際、法律に基づいて国が指定した処理業者に委託して処理するため、今年(2025年)1月16日に施設内の別の場所に移して保管していました。
その後、処分業者が見つかったため2月20日に市の職員が確認をしたところ、保管していた3台のうち1台がなくなっていました。

山鹿市は施設の入り口を施錠していたことなどから、盗まれたと判断しました。
このコンデンサーは、「キュービクル」と呼ばれる高圧受電設備に使われていて、人体に有害な低濃度のPCB(ポリ塩化ビフェニル)を含んでいるため、国は指定した処理業者が処理するように法律で義務付けています。
山鹿市は警察に近く被害届を提出する予定で、「金属買い取り業者に持ち込まれる可能性もある」として、市民に情報提供を呼びかけています。
有害物質「PCB」とは
このコンデンサーは三菱電機が1991年に製造したもので、重さ15キロあり、PCB濃度は0.00008%です。
PCBは一般的に絶縁油として電子機器に使用されていましたが、有害性があるとして現在は製造が禁止されています。
山鹿市は「PCB廃棄物は人体に有害な物質を含む特別管理産業廃棄物なので、このコンデンサーを発見した場合は市や県に連絡してほしい」と呼びかけています。