長野、岐阜県境の焼岳(やけだけ)で火山性地震が増えていることから、気象庁は4日午前、噴火警戒レベルを「火口周辺規制」の2に引き上げました。

松本市は登山口となる中の湯温泉や上高地に通じる釜トンネルの入り口に、噴火警戒レベルが上がったことを知らせる日本語と英語の看板を設置しました。

気象庁によりますと、焼岳の山頂付近を震源とする微小な火山性地震の回数は、1日は1回、2日はゼロでしたが、3日は20回に増加。

4日は午後3時までに22回観測されました。

信州大学 齋藤武士(さいとう・たけし)教授:
「火山の山頂の直下の浅いところを震源にしているので、全く火山活動と関係ない地震というよりは、普通は火山活動に何かしらの原因があるんじゃないかと考えるのが普通だと思うんですね」

気象庁は焼岳の火山活動が高まっているとして、4日午前、噴火警戒レベルを火口周辺への立ち入りを禁止するレベル2に引き上げました。

また松本市は焼岳への登山を禁止しました。

信州大学 齋藤武士教授:
「もしいざ噴火するようなことが可能性が高まってくるんだったら、地震の回数だけじゃなくって山体の膨張が観測されたりとか、火口周辺から出てるガスの勢いが増えるとか、そういった可能性があると思うので、この先どうなるかというのは状況を見守るしかないと思います」

気象庁は、想定火口域から概ね1キロの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があるとして、大きな噴石などに警戒するよう呼びかけています。

焼岳が噴火警戒レベル2になるのは、3年前の2022年7月以来です。