生活にも影響する予算の議論が大詰めを迎えています。高校の無償化などに続き、今、争点の一つとなっているのが高額な医療費の自己負担の引き上げです。
国会で開かれた新年度予算案をめぐる審議。傍聴席には、その様子を見守る女性の姿がありました。全国がん患者団体連合会の理事を務める轟浩美さん。9年前、夫を胃がんで亡くしました。議論となっていたのは、夫も利用していたという「高額療養費制度」をめぐる問題です。
立憲民主党 岡本章子 衆院議員
「医療費全体を見直さなきゃいけない。高額療養費の上限を引き上げないと制度がもたないというのはおかしいと思います」
石破総理
「高額の医療・薬、それがこれから先も使えるようにするためにどうするかということで、提案を申し上げているところ」
国会でのやりとりを聞いた轟さんは。
全国がん患者団体連合会 轟浩美 理事
「命のために一旦立ち止まって、もう一度丁寧な審議をしてほしい」
政府の方針に懸念の声があがっています。
治療費が高額になった場合に自己負担額を抑えてくれる「高額療養費制度」。政府は現役世代の保険料の負担軽減を理由に、上限を今年8月から段階的に引き上げる方針です。
自己負担額の上限は年収や年齢に応じて異なりますが、政府の方針では年収およそ300万円の人の場合、現在の限度額はひと月5万7600円ですが、2027年には8万円近くにまで上がります。また、年収およそ600万円の人のひと月の限度額8万100円ほどは、2027年には11万円を超えることになります。
“受診控え”につながるのではないか、という声もあがっている今回の制度見直し。国会でのやりとりを聞いた轟さんは。
全国がん患者団体連合会 轟浩美 理事
「命に関わる問題だから8月に実行ありきではなくて、命のために一旦立ち止まって、もう一度丁寧な審議をしてほしい」
政府は、長期で治療を受ける患者に配慮し、直近12か月以内に3回利用すると4回目から負担が軽減される仕組みについては、自己負担額を引き上げないとする修正案を患者団体などに提示しました。
ただ、轟さんは懸念は払拭されていないと指摘します。
全国がん患者団体連合会 轟浩美 理事
「命に繋がる医療についての療養費が上がってしまう、限度額が上がってしまうってことの意味がやはり伝わっていない。重みが伝わってないと思いました」
立憲民主党 野田佳彦 代表
「困難な治療をしている人たちに負担をお願いするというやり方は間違っていませんか。命かかっているんですよ。戦闘モードに入りますよ、ここは」
立憲民主党は、自己負担の引き上げを一度、凍結することなどを盛り込んだ独自の修正案を作成し、政府に方針の撤回を迫っています。
きょう、立憲は修正案をめぐって自民・公明の与党と協議をおこないましたが、議論は平行線に終わりました。
立憲民主党 重徳和彦 政調会長
「高額療養費の上限の引き上げ、これを凍結するというのは私達としてはマストである」
「医療のセーフティーネット」をめぐる調整が続いています。
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