ロシアとウクライナの戦闘終結に向けた交渉をめぐり、アメリカ・トランプ政権の担当特使がロシアに対し、ウクライナで掌握している占領地について譲歩を求める考えを示しました。

ケロッグ ロシア・ウクライナ担当特使
「私の考えでは、(ロシアは)領土の譲歩のようなことが必要になるだろう」

アメリカのケロッグ特使は15日、ミュンヘン安全保障会議でこのように述べ、掌握しているウクライナの領土を含め、ロシアにも譲歩を求める考えを示しました。さらに、交渉にはプーチン大統領の参加が不可欠だと指摘しました。

ケロッグ ロシア・ウクライナ担当特使
「好むと好まざるにかかわらず、敵と味方と話す必要がある」

またロイター通信によりますと、ケロッグ氏は別の会合で戦闘終結に向けた交渉にヨーロッパは参加しないとの見通しを示しました。この発言に対し、フィンランドのストゥブ大統領が反発していて、「ヨーロッパ抜きでウクライナの将来やヨーロッパの安全保障について、議論や交渉をするのはあり得ない」と述べています。

ゼレンスキー大統領はこれに先立ち、ロシアとの交渉の前に欧米諸国と共通の計画を持つ必要があると主張していました。

一方、アメリカのルビオ国務長官とロシアのラブロフ外相が15日に電話会談を行い、ロシアはウクライナ情勢や中東情勢などへの対応で協力するとの双方の意思が示されたと発表しました。

ロシア側によると、12日に電話会談を行ったトランプ大統領とプーチン大統領が示した方針に沿って「相互に尊重しあう、国家間の対話を回復するために協力する用意があることを確認した」としていて、首脳会談の準備などに向けて定期的な接触を続けることで合意したということです。