中国軍は、今月10日から12日にかけてアメリカ海軍のミサイル駆逐艦などが台湾海峡を通過したと発表しました。トランプ大統領が就任して以降、アメリカ海軍の艦船が台湾海峡を通過するのは初めてです。

中国軍で台湾を管轄する東部戦区の報道官は12日、アメリカ海軍のミサイル駆逐艦「ジョンソン」と海洋調査船「ボウディッチ」が10日から12日にかけて台湾海峡を通過したと発表しました。

中国軍東部戦区の報道官は「全ての行動を追跡、監視し、効果的に対処した」と主張したうえで、「アメリカの行動は誤ったシグナルを送り、安全保障上のリスクを増大させるものだ」と非難しました。

その上で、報道官は「部隊は常に厳戒態勢で国家の主権と安全、地域の平和を断固として守る」とコメントしています。

ロイター通信によりますと、トランプ大統領が先月就任して以降、アメリカ海軍の艦船が台湾海峡を通過するのは初めてで、台湾海峡の平和と安定に引き続き関与する姿勢を示したものとみられます。

また、中国で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は12日の会見で、「台湾問題は中国の核心的利益に関わるものであり、いかなる外国の干渉にも反対し、決して許さないという立場を明確にしている」と主張。

「台湾問題を慎重かつ適切に処理し、台湾独立を求める分離主義勢力に誤ったシグナルを送ることを控えるべきだ」とアメリカを批判しました。