福島市の県道で雪崩が相次ぎ、温泉宿の宿泊客を含む62人が孤立したことを受け、福島県は12日午前9時半すぎからヘリコプターによる救助を行い、救助希望者40人の移送を終えました。
福島市の山あいにある土湯温泉町の県道本宮土湯温泉線では、10日に雪崩が相次いで発生し、5.6キロの区間が通行止めとなっています。この影響で、野地温泉地区にある温泉宿3軒が孤立状態となり、宿泊客17人を含む、合わせて62人が取り残されました。

県は、12日午前9時半すぎから、ヘリコプター2機による救助を始めました。62人のうち、宿泊客全員を含む40人が救助を希望していて、1便目では、乳児など計5人が救助されました。大きな荷物を持った人たちが、次々にヘリコプターに乗り込み、午前11時までに全員の救助を終えました。
救助された人たちは、市内にある福島県警の施設で健康状態を確認後、福島駅へと移送されました。診察した医師によりますと、40人の健康状態に異常はなかったということです。
救助された人たちは「宿の対応がよく、ライフラインも止まっていなかったので問題はなかった」と話していました。また、埼玉県から来た女性(41)と娘(20)は「車で来たが、宿に置いてきたので、通行止めが解除されたら取りに行く」と話していました。
10日に発生した雪崩は「表層雪崩」とみられていて、いまも除雪や通行止め解除の見通しは立っていません。宿には当面の食料などは十分にある状況だということで、県は周辺の状況を確認しながら、残る22人の対応を検討するということです。
福島県の消防防災ヘリコプターは定期検査中、福島県警のヘリコプターが整備中のため、救助には群馬県と栃木県の消防防災ヘリコプターが出動しました。
※動画は救助者を乗せ宿を飛び立つヘリコプター