あまり耳馴染みのない新しい言葉『孫休暇』。その名の通り【孫の育児をするために特別休暇を取得できる】という制度ですが、全国初の導入に動いたのは、知事本人でした。


■背景に“定年引き上げ” 孫誕生の職員増加を予想


宮城県 村井嘉浩知事(10月3日定例会見):
「私事になりますけれども、9月23日に2人目の孫が誕生いたしました。今回、娘の手伝い、子育てを手伝いたいと思いまして、議会対応など公務にできる限り支障のない範囲で休暇を取らせていただくことに致しました」

孫の子育てを手伝うため、10月中に3日間の休暇を取得することを明らかにした宮城県の村井嘉浩知事。

そして、宮城県の『孫休暇』導入を発表しました。

『孫休暇』は、【宮城県職員が、孫の育児をするために特別休暇を取得できる制度】です。
2023年1月から導入予定で、県によるこの“孫の育児休暇の導入”がされると、全国初となります。

なぜ今、『孫休暇』を導入するのでしょうか?
宮城県では来年度以降、県職員の定年を65歳まで段階的に引き上げる条例案が審議されています。初孫の誕生の平均年齢というのは62歳から63歳。在職中に孫を持つ職員の増加が予想される、ということなんです。


■村井知事「おむつ交換とか、お風呂に入れたりとか、できます!」


自身が『孫休暇を』取得する理由について、『私(村井知事)が率先して取ることで孫休暇を利用しやすいものにしたい』と話しています。

休暇中に実際どういったことをお手伝いされるんですか?という質問に対して知事は―

宮城県 村井嘉浩知事:
買い物とかおむつ交換とか、お風呂入れたりとか、できます!2月(1人目の孫が誕生)にもやってますから、大丈夫です。おっぱいはあげられないんですけどね」

弁護士 八代英輝:
良い制度だと思いますね。お孫さんと離れて暮らしている方も多いですから、何日かまとめて休暇を取れるシステムにすれば、わざわざ行って何か手伝いができる。必ずしも近くに住んでるとは限らないですからね。

落語家 立川志らく:
うちも赤ちゃん産まれたときは義理の親に頼りっぱなしだったから。こういう休暇が取れるっていうのはすごく良いことですよね。

朝日奈央:
ちょっと買い物行ってきてとか、頼れる存在がいると助かりますよね、絶対。

恵俊彰:
全部1人で背負って、というよりは無理せずいろんな人に頼みながらという環境があるといいですね。


■子育て世代「すごくありがたい」祖父母世代「仕事も孫の世話も両立したい」


“地域で子どもを育てる”ことにも繋がりそうなこの制度。『孫休暇』について街の人に聞いてみました。

30代女性:
「私も実は3つ子がいてすごく大変なんですけど、母が手伝いに来てくれて助かっている部分があって、おじいちゃんも含めて積極的に職場などからも応援してもらえて、子どもの手伝いをしてもらえたらすごくありがたいなと思います」

30代男性:
「すごく良い制度だと思います。パパママも負担が大きいと思うので、またおじいちゃんおばあちゃんも手伝ってくれるのは育児している側からしたらありがたいなと思います。」

60代女性:
「私も孫ができたら積極的に子育て支援をしたいと思っていますので、仕事をしながらでも
孫の世話もしながら両立していきたい
というのは、理想として考えています。」

親世代からも祖父母世代からも好意的な意見が聞かれました。

“みんなに優しい”ーー
全国初の取り組みは、今後広がっていくのでしょうか?


(ひるおび 2022年10月5日放送より)