戦時中、山口県宇部市の長生炭鉱で起きた水没事故で、犠牲者の遺骨発掘に向けてきのうから本格的な潜水調査が始まっています。1日午後1時40分ごろ、2日目の潜水調査が始まり、ダイバーが坑道内に入りました。

31日の潜水調査では、入り口から250メートルほどのところまで潜水しましたが、木材などが崩落していて、通れる場所を見つけながらの潜水になったということです。

31日の調査では遺骨は発見されませんでした。


太平洋戦争のさなか、宇部市の海底にあった長生炭鉱が水没する事故があり、朝鮮半島出身者136人を含む183人の労働者が犠牲になりました。

遺骨は今も炭鉱の中に残されたままです。市民団体の「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」は遺骨の発掘にむけ、去年9月、埋められていた炭鉱の入口・坑口を掘り起こしました。


会は、遺骨は坑道で一番低い坑口から350メートル付近にあるとみています。

「刻む会」は、遺骨発掘を日韓両政府の共同事業にすることを目指していますが、日本政府は「調査は現実的に困難」という立場です。

31日の調査終了後、刻む会の井上共同代表は・・・

長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 井上洋子 共同代表
「きょうご遺骨を出すことができなくても、ご遺骨は必ずあるので、一歩一歩近づいていけば必ず会えると思っていますので」と話し、2日目以降への期待を語りました。