大きな地震が起きた時に「自分の命は自分で守ることの大切さ」について考えてもらおうと、東日本大震災で被災した旅館の元女将が高知県内で宿泊業を営む事業者らを前に講演を行いました。

講演を行ったのは岩手県釜石市で旅館の顧問を務める岩崎昭子(いわさき・あきこ)さんです。岩崎さんは東日本大震災が起きた際、務めていた旅館が津波で2階まで浸水。3階以上は被害を免れたため、津波が引いた後、旅館は避難所として活用されました。岩崎さんは県内で宿泊業を営む事業者らおよそ30人を前に、旅館が避難所だけでなく、ボランティアの情報交換の場になったことなど、「人の命を守る場所」として必要な存在であることを認識したと話しました。また、旅館の裏山に宿泊客らを誘導する際、自身も津波にのまれそうになった経験を語る中で、「自分の命は自分で守ること」の大切さについて強く訴えました。
(岩崎昭子さん)
「誰かが当事者ではなくて、必ず自分が当事者になることがあるというのを日本中みんなで改めて思っていたほうがいいだろうなって」
(参加者)
「地域コミュニティが大事だっていうのをおっしゃっていたので、地区長や自主防災をやっている中で一番に考えているが、大事だっていうのを改めて感じた」
岩崎さんは今後も若い人たちに被災した経験を伝え、教訓をつないでいきたいとしています。