山梨県北杜市に移住したフランス人の男性が、地域に伝わる伝統の神楽を体験しました。その奮闘と地域の人々との交流に密着しました。
北杜市小淵沢町北野天神社です。

日も暮れて久保大和神楽保存会のメンバーが集まってきました。

秋の例大祭で披露する神楽の練習です。その中に少々ぎこちない動きの男性がいます。
フランス人のマチュー・ドゥコーさんです。

マチューさんはこの夏から保存会に参加し、初舞台に向けて練習中です。

マチュー・ドゥコーさん:
まだそんなにきれいじゃないけれど、がんばります。まだ2回練習がある。


マチューさんはフランス出身の39歳。
6年前に来日し、フランスの映像システム会社の日本支社に勤務し、当初京都で暮らしていました。

そこで日本の伝統文化や風土に触れ、去年の春、夫婦で北杜市小淵沢町の久保地区に移住し、築およそ150年の古民家で生活しています。

フランス出身 北杜市小淵沢町に移住 マチュー・ドゥコーさん:
壁は全部漆喰を自分で、あとは友達に助けてもらった。

フランス出身 北杜市小淵沢町に移住 マチュー・ドゥコーさん:
東京に月に何回か出張があるので、小淵沢は便利な場所です。

小淵沢に引っ越してから、神楽の保存会に誘われたそうです。
フランス出身 北杜市小淵沢町に移住 マチュー・ドゥコーさん:
となりの勝三さんが、私にお神楽に入るか聞いた。この地域のコミュニティを作るように、祭りを一緒にやると楽しい。


妻でデザイナーの、はやかわりかさんも神楽に一役買っています。
妻 はやかわりかさん:
家にミシンがあるということだけだったけど、きっと縫えるだろうと。

神楽の衣装や、その端切れで祭りで売るお守りを作りました。

この日は「足揃え」と言われる仕上げの練習です。
保存会にはマチューさんだけではなく、多くの移住者が参加しています。

久保大和神楽保存会 進藤勝三会長:
グローバル化とかインターナショナルといった言葉でいいと思うが、今からは斬新な神楽をやっていきたい。


いよいよ祭りの当日。

マチューさんが舞うのは「斎場の清め」と「四方舞」。

神楽の露払いの儀式的な舞いです。

北野天神社 進藤柏男宮司:
ここ(久保地区)の歴史は1100年あるが、外国の方が神楽を舞うとは全く想像しなかった。外から来た人たちを大事にして一緒に仲間にして、互いに仲よくしていく考えですね。


初の舞台を終え、マシューさんも笑顔です。

フランス出身 北杜市小淵沢町に移住 マチュー・ドゥコーさん:
ところどころ間違えてちょっと心配ですけど、また来年ももっと練習する。がんばります。

小淵沢に移り住んだ、フランス人のマチューさん。
地域の人達との交流は始まったばかりです。
