岡山県吉備中央町出身の作庭家・重森三玲が手がけた庭の復元が高梁市で行われています。今年10月の完成を目指し作業が進められ、徐々にかつての姿が見えてきました。

高梁市中之町で行われているのは、砂が敷き詰められていた土間の修復です。この庭は昭和を代表する作庭家・重森三玲がおよそ70年前に手がけたものです。所有者が岡山市在住のため、手入れが行き届かず荒れた状態でしたが、庭園を復元する取り組みが去年から始まりました。作業を進める中で新たな発見もあったようです。
(造園技能士 稲谷順一さん)
「土間自体が今でいう防草シートみたいな役割、草を生やさないためのものであるということはよくわかります。なぜかというと土間(のモルタル)が薄かったりとか」
作業には岡山県立大学の学生も参加しています。図面と現場を照らし合わせながら、写真や動画を撮影し記録を行います。大学での研究の一環としての貴重な現場体験です。

(参加した学生)
「いいものを見ている気がしているので、いろいろ新しいことも知ることができて楽しいです」
去年まで生い茂っていた樹木が取り払われ、かつての庭の姿が現れてきました。今後は、庭とあわせて茶室の修復も行われることになっています。

(庭を所有する 東良平さん)
「10月に向けてそれぞれが完成して、昔の形が蘇るのを期待しています」
作業は今後も月一回程度で続けられ、次は垣根や飛石などの修復にとりかかります。