瀬戸内エリアの観光を盛り上げようと、地元でものづくりを行う企業が来年の開催を目指して準備を進めている「瀬戸内産業芸術祭」。試験用のツアーがきょう(29日)行われ個性的なアート作品が公開されました。

(和泉砂絵記者)
「すごい。入ってみますと大きな砂絵のようなものが広がっています。瀬戸内海をイメージしたアートだということですが、よく見てみると、すべて塩で描かれています」
穏やかな瀬戸内海をイメージしたアート「時の輪郭」。半径5.5メートル、およそ26キロの塩がふんだんに使われた大きな絵です。海の入り江や波が美しく表現されています。

実はこのアート、展示されているのは美術館ではなく、塩を作っている玉野市の工場の一角なんです。
きょう(29日)報道陣に公開されたのは、来年の開催にむけ準備が進められている「瀬戸内産業芸術祭」の試験的なツアー。地元のものづくり企業が工場にアートを製作し「観光資源」にしようという試みです。船のエンジンなどを手がける企業が作ったのは・・・こちら。

上下に動く大きなステンレス製の筒。なんと、2トンもの重さを持ち上げられる椅子なんです。座ると様々な高さから工場内と瀬戸内海を一望することができます。さらに・・・

(和泉砂絵記者)
「すぐそこが工場になっているのですが、少し手前のこちら、たくさんの電球が設置されたアートが置かれています」

蓄電池を開発する企業は「電気」がテーマのアートを展示。工場内で作られた再生可能エネルギーが使われています。芸術祭を通して観光客に玉野市まで足を伸ばしてもらうのが狙いです。
(パワーエックス 伊藤正裕社長)
「今までになかった動線が生まれると思います。人流を新しく作って人を増やしていくというところに貢献できれば、かなり(地域を)活性化できるんじゃないかと思います」
ものづくりの町・玉野の魅力を世界中の人に。「瀬戸内産業芸術祭」は来年の開催を目指して準備が進められています。