2000キロを旅すると言われるチョウ、アサギマダラ。ことしも富山県内で見ることができます。

日本全国に分布するアサギマダラ。羽は縁の部分が茶色で薄い水色のまだら模様になっています。

このアサギマダラの生態について、20年前から調査している富山県朝日町の藤條好夫さんです。

藤條さんがアサギマダラを捕まえると。チョウがどこから来てどこへ向かうのか、動きを知るためチョウの羽に発見者の番号と印をつけます。

藤條好夫さん:
「これは最高で飛んだ記録は2500キロ。去年はここの朝日町から台湾まで2300キロ、46日間かかって」

アサギマダラは別名「旅するチョウ」と呼ばれ、平均的な飛行距離はなんと2000キロ。そして寿命は一般的なチョウよりはるかに長い4、5か月で、夏は暑さを避け北上し、冬は寒さを避け南下します。

藤條さんによると富山県内では毎年、9月中旬から10月にかけて見ることができ、朝日町から与那国島まで、遠くは台湾までたどり着いた個体もいるそうです。

藤條好夫さん:
「驚異的なチョウというか、不自然なことが平気でやるんですよね、たとえば蝶々が人の体に止まるということはないです。これは平気で頭の上だとか肩だとかどこでもつきます」

今、県内に残っているのはやや出遅れたチョウですが、続々と旅立ちをはじめています。

記者:
「マーキングされたとき、どういう気持ちで放たれるんですか」

藤條好夫さん:
「うらやましいなと。いろんなところに飛んでいけるんだからね」

子孫が再び富山に戻ってくることを祈りことしもアサギマダラの旅立ちを見届けます。