町議会の解散の是非を住民投票で問う事態になった宮崎県川南町で何が起きているのでしょうか?
取材を担当している垣内沙耶記者の解説です。

(垣内沙耶記者)
今回の住民投票ですが、事の発端は、新しい中学校の建設計画が争点となった、おととし4月の町長選挙までさかのぼります。


川南町では、もともと、町内にある2つの中学校を統合して、新しい中学校を建設する計画がありました。

そうしたなか行われた町長選では、建設計画の中止を掲げた東 高士氏が当選。
さらに、町議会議員選挙でも計画中止を支持する議員が過半数、当選し、その後開かれた6月議会で、計画の廃止の議案が可決されました。


これで新しい中学校の建設計画は白紙に戻りましたが、町民の間でも意見が割れていました。

その後、議会はというと、中学校の建設計画に賛成した議員と反対した議員で真っ二つに割れ、建設計画以外でも対立を繰り返します。


そして、新たな動きがあったのが去年夏です。
東氏が病気のため町長を辞職し、後任を決める町長選が行われました。
結果は現職の宮崎吉敏氏が当選し、東町政の継続を訴えていた前の副町長が敗れました。



議会の方は、東町政に賛成していた議員が過半数なので、町側と議会側でいわゆる「ねじれ」が生じています。

宮崎町長が就任して初めて開かれた9月議会では、川南パーキングエリアに隣接する「かわみなみPLATZ」の指定管理者に関する議案や副町長選任の人事案が否決や不同意となりました。

こうした状況を受けて、議会が十分に審議を尽くさず、機能不全に陥っているなどとした解散請求が出されるに至りました。


また、川南町では議員による不適切な発言もあり、そうした問題も解散請求で指摘されています。

去年6月には、病気療養中の町長に対して、ある議員が「早く死んでもらいたい」と発言したこともありました。
また、別の議員は、同僚議員に対する非難、役場職員に対する侮辱、憶測による批判などが飛び交っていると指摘しています。


一方、議会側も弁明書を可決し、解散請求に対して「中学校建設計画の審議は十分に行われた」などとして、「解散請求は合理性がなく、町政を混乱させるものである」と弁明しています。


議会を解散するのか継続するのか町民の判断が注目されます。

川南町議会の解散の是非を問う住民投票は、来月9日に投票が行われ、即日開票されます。

※MRTテレビ「Check!」1月20日(月)放送分から