新型コロナの感染拡大が落ち着いてきている中、10月11日から国は旅行支援を全国に拡大します。補助金額は最大1万1000円。

(愛知・大村秀章知事)
「全国旅行支援の愛知版。愛知県内を旅行される方を対象に『いいじゃん、あいち旅(たび)キャンペーン』を実施します」


国の「全国旅行支援」に合わせ、愛知県は、10月11日から「いいじゃん、あいち旅キャンペーン」を実施します。

国の補助金96億5000万円を活用して、愛知県内を旅行する人向けに旅行代金を割り引き、クーポンを配布します。


対象の期間は12月20日までですが、新型コロナの感染拡大で緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置が出された場合には中止することもあるということです。



全国旅行支援が始まるのを前に、期待が高まっているのは宿泊施設です。

温泉が“売り”の愛知県蒲郡市(がまごおりし)の老舗旅館では、すでに宿泊予約が増えているといいます。

愛知県蒲郡市にある創業90年の老舗旅館「平野屋」。全国旅行支援が発表されて以降、10月11日以降の宿泊予約の数が、新型コロナ感染拡大前と同じ水準に戻ってきたといいます。

(平野屋 平野寛幸社長)
「GoToキャンペーンが開始したとき以来(の増加)。2019年を振り返ると、これからの時期は秋の行楽シーズン。予約状況が良い時期。それと同じぐらい(の予約状況)」

現在は関東など県外からの問い合わせも相次いでいるというこの旅館。夏休みには第7波の影響で、宿泊客がコロナ前のおよそ5分の1に減っていました。

(平野屋 平野寛幸社長)
「経営環境はすべてコロナが握っていて、非常に苦しい時期が続いていた。旅行支援を活用して、今まで蒲郡の温泉地を知らなかった大都市圏の人にも来てほしい」


一方三重県鳥羽市の老舗旅館「戸田家」。「全国旅行支援」が発表されてから、予約が少しずつ増えてきたといいます。


Q.全国旅行支援について問い合わせはありますか?
(戸田家 加藤直広統括支配人 23日)
「発表を受けて、電話もかなり多い」

戸田家では、新型コロナ感染拡大前と比べて、客の数は7割から8割ほどまで回復。「全国旅行支援」の影響で、10月11日以降の予約がこの3日間で1000件ほど増えました。



(戸田家 加藤直広統括支配人 23日)
「全国版になると、関西方面や東京など関東方面からの客も、電車を使ってという形になると思うので、本当に大きな期待をしている」

また、平日にもかかわらず多くの人で賑わっているのは、三重の志摩スペイン村。「全国旅行支援」についてお客さんは。

(訪れた人)
「家族がいる人にはうれしい」
「子どもと一緒に楽しめる場所を探したい」

一方で、戸惑いの声も。

(訪れた人)
「各自治体がバラバラで、対応が統一してないですよね。利用者も困るし…」

自治体ごとに手続きや細かい内容が異なるほか、東京都は「準備期間が必要」としてスタートから参加しないため、「わかりづらい」という指摘も聞かれました。