食欲をそそる料理の色合いや質感をちぎり絵で表現した作品がSNSなどで大きな反響を呼んでいる96歳の女性作家の個展が岡山県瀬戸内市立美術館で開かれています。
(砂山祐佳里記者)
「遠目で見ると水彩画のようにも見えるんですが、しっかり近くによってみてみると、新聞紙を細かくちぎって貼り合わせられているのがよくわかります。」

からりと揚がった色鮮やかなエビフライ。添えられたレタスも新聞紙を使って表現されています。瀬戸内市立美術館で開催されている、「96歳セツの新聞ちぎり絵原画展」会場には、奈良県在住の作家、木村セツさん(96)による約130点が並びます。
(新聞ちぎり絵作家 木村セツさん)
「糊付けもきちんとヘラで延ばして、気にいらなければめくって、また貼りなおしたりしたら、段々綺麗になって「実物によく似ている」といわれるようになります」

6年ほど前に夫を亡くし、気落ちしていたセツさん。見かねた娘が勧めたのがちぎり絵でした。毎日届く新聞であれば…と始めたところ、90歳にして才能が開花。
さまざまなトーンや色合いを巧みに組み合わせた作品、その観察力は見る者を驚かせます。
訪れた人は96歳を迎えてもなお、作品を生み出し続ける姿に、感銘を受けていました。
(訪れた人)
「感動しています」
「始めたのがお年を取ってからなのに、すごく上手にされていて。何歳になっても何か始められるんだなと思って元気をもらいました」
(新聞ちぎり絵作家 木村セツさん)
「楽しんで、楽しんでさせてもらっています。一点作るのに相当時間がかかりましたが、喜んでいただいて力をいただきたいと思います」
「96歳セツの新聞ちぎり絵原画展」は、3月9日まで開かれています。