和歌山県串本町から発射する民間の小型ロケット「カイロス」2号機。その打ち上げが18日午前11時から打ち上げられましたが、スペースワンによりますと、飛行中断措置が取られ「ミッション達成は困難になった」たということです。

この後、午後2時半からスペースワンが記者会見を行い、詳細について説明する予定だということです。

宇宙ベンチャー企業「スペースワン」が開発した小型ロケット「カイロス」。初号機には人工衛星を搭載していて、軌道投入が成功すれば国内初となる民間単独の打ち上げとなるはずでした。しかし、今年3月の打ち上げでは飛行中に異常を感知して自ら爆発し失敗しました。

スペースワンはその後も「カイロス」2号機の打ち上げを目指して開発を続けていて、再挑戦となる今回は複数の衛星を搭載するということです。

打ち上げ後は約1時間後までに、搭載した5基の衛星を分離し、軌道投入する予定でした。

【カイロスの特徴は?】
「カイロス」は全長18メートル、重さが約23トンの小型ロケットです。

カイロスに搭載される衛星は?


搭載される衛星は5基ということですが、公表されているのは次の4つの衛星だということです。

▼Taiwan Space Agency
▼東京・広尾学園中学・高校の生徒が開発した光通信衛星
▼ベンチャー企業「テラスペース」が開発した衛星
▼「SpaceCubics」が開発した衛星

そのうちの一つが、京都のお寺などが打ち上げる衛星。衛星上部には仏像「大日如来」がおさめられ、世界初の宇宙寺院「浄天院劫蘊寺(じょうてんいんごううんじ)」をつくろうというのです。宇宙寺院は約1時間半かけて地球を1周。位置情報をスマホで確認しながら参拝をするというものです。

1号機はどうだった?発射直後に爆発

 今年3月、和歌山県串本町にあるロケット発射場からカイロス「初号機」は打ち上げられました。しかし、打ち上げからわずか5秒、カイロスは空中で爆発。初号機の打ち上げは失敗に終わりました。初号機には人工衛星を搭載していて、軌道投入が成功すれば国内初となる民間単独の打ち上げとなるはずでした。

 その後、予測よりもロケットの速度が遅く、安全と設定した飛行範囲を外れたため、ロケットが飛行中断措置として自ら機体を爆発させたと発表しました。発射場付近では、機体の破片が落下し、一時火災も発生しました。スペースワンはロケット自体に問題はないとして、カイロス2号機の打ち上げを目指していました。

当初14日、15日に予定も風の影響で延期に

14日に和歌山県串本町から打ち上げ予定だった民間の小型ロケット「カイロス」2号機。しかし、発射直前で延期となってしまいました。発射場上空の強風により、打ち上げは危険と判断。翌日(15日)に持ち越されたのですが、15日も前日と同じく強風の影響で打ち上げは再び中止となってしまいました。

打ちあがったら

カイロスは和歌山県串本町の発射場から打ち上げられた後、次の流れでカイロスのロケットや衛星が切り離される予定だということです。

▼約2分28秒後、ロケットの1段目が燃焼を終え切り離し
▼約2分55秒後、「フェアリング(人工衛星を覆うカバー)」を切り離し
▼約4分40秒後、ロケットの2段目が燃焼を終え切り離し
▼約7分50秒後に、ロケットの3段目が切り離し
▼約53分35秒後、1つ目の衛星を高度500キロ付近で分離し順次他の衛星も切り離し
▼約54分1秒後、京都のベンチャー企業が開発した人工衛星を最後に分離予定