破産手続き開始を知らせる書類

 現場が混乱している中で、破産の発表に知らずに来た利用客が気遣ってくれたといいます。

・アリシアクリニックの看護師(20代)
「お客様は怒ったりとかはしないで『大変ですね』って言ってくれていました。安くない金額を払って、店に通ってくれていたと思うので、心の底は怒ってるんだろうなと思います」

東京商工リサーチによりますと、美実会の2021年4月期の売上高は163億1540万円。

しかし、コロナ禍などの影響で、同業他社との競争が激しくなったことなどから、2023年の4月期の売上高は134億7380万円にとどまり、7539万円の最終赤字を計上していました。

多額の前受け金で人気タレントを起用し、新たな顧客を獲得していました一方で、医療脱毛の価格競争や、家庭用脱毛器の普及によって経営が悪化したとみられています。

「美実会」と「八桜会」2社の負債総額は合わせて124億7133万円。すでに脱毛の料金を支払っていた利用客など、債権者は9万人あまりに上っています。

これはエステ業界の倒産として、過去最大規模です。

破産手続き開始決定の翌日。取材をしていると、札幌市の店舗前に利用者の姿がありました。

・女性利用客
「11時に予約してたんですが…。支払った金額は全部で30万円ちょっとくらい。突然のことすぎて、びっくりして言葉がでないです」

破産を知らずに店舗を訪れた利用客

 アリシアクリニックのホームページを見てみると、脱毛の利用料金は1回あたり約1万円。5回で13万円の全身コースもあり、利用客の多くは、高額な代金をすでに支払っていたとみられています。