「どうぞ親からいただいた体を、そのままで年を重ねていって」

阿部さんは、積極的に証言活動もしてきました。手元に置いている1冊の分厚いノート。これまで被爆体験を語った相手の名刺やハガキが大切に貼ってあります。

阿部静子さん
「澄んだ眼で、綺麗な肌で私の話を聞いてくださるんですよ。この人たちが私のような醜い姿にならないように、どうぞ親からいただいたその体を、そのままで年を重ねていっていただきたい」

ノーベル平和賞を受けて改めて、受賞の重みと責任を感じているといいます。

阿部静子さん
「長年証言を続けて訴えてきましたけれど、被爆体験があんまり日本も、世界の人たちに届いてないと思うんですよ。やっぱり被爆者の責任です。もう少し世界の人たちにも広島の惨禍を伝えるべきだ思いました」

97歳の被爆者はこれからも平和を訴え続けるつもりです。