1966年、静岡県清水市(現静岡市清水区)で一家4人が殺害された事件の再審で無罪が確定した袴田巖さん(88)の弁護団が、事件に関する静岡県警による事実確認の作業について、証拠のねつ造の有無についても検証するよう申し入れました。
12月9日、静岡県警本部を訪れたのは袴田巖さんの弁護団事務局長を務める小川秀世弁護士です。袴田さんは4人を殺害したとして一度は死刑判決を受けましたが、2024年、静岡地方裁判所が再審で無罪を言い渡しました。
静岡県警の津田隆好本部長はその後、袴田さんに直接謝罪し、さらに12月5日開かれた静岡県議会の中で、当時の捜査員などに聞き取りを行い、事実確認を行っていることを明らかにしました。
小川事務局長は、裁判所にねつ造が認められた「5点の衣類」などについて、本当にねつ造が行われたかどうかについても検証するよう、静岡県警に申し入れました。
小川事務局長は申し入れ後の会見で、「はっきり否定できないような違法行為については、真摯に改善策か改革案を提案していただきたい」と語り、近く検察にも同様の申し入れを行う方針だということです。