空前の大ブームになっている「昭和レトロ」 レトロ自販機に、ダサかわいいファッション 若者がハマる昭和レトロの世界とは?

■空前の大ブーム「昭和レトロ」 ホテルも“レトロ”な柄とコラボ


一歩足を踏み入れれば、レトロな駄菓子屋さんやダイヤル式の電話ボックス。どこか懐かしさを感じる空間で写真を撮る若者たち。
東京・台場のデックス東京ビーチ。昭和の街並みが再現された「台場一丁目商店街」です。


20代
「友達がここのレトロな写真をめっちゃSNSにあげてて、これ絶対いかなきゃと思って。せっかく来たんで100枚くらい(写真)撮ろうかな」
「今でいうと“映え”みたいな、“エモい”みたいな感じ。今にない感じだからすごい新鮮」

「昭和レトロ」を体験できる“映えスポット”。SNSで話題となり、若い世代が殺到していたのです。


なかでも皆さんが夢中になっていたのが、昔ながらのレトロゲーム!
特に人気だったのが、バネをはじいて10円玉をゴールまで運ぶ「A級ライセンス」。

20代
「10円のゲームって(今)あんまりないんで、魅力感じちゃいますね」

元々、中高年に懐かしんでもらうため2002年にオープンしたこの施設。当初、若い世代のお客さんは1割程度しかいなかったんだとか。

台場一丁目商店街 自治会長 久保浩さん
「若い世代が今は圧倒的に8割位を占める感じです。目にとまるものそれぞれが新鮮に見えるみたいで」

空前の大ブームとなっている「昭和レトロ」。その人気は意外な所でも。


東京プリンスホテルでは、レトロな柄のガラス食器「アデリアレトロ」とコラボした宿泊プランが大人気(9月30日まで)。


温かみを感じる空間に囲まれながら「アデリアレトロ」のグラスに入ったソーダや、昔ながらのプリン ア・ラ・モードが楽しめます。


さらに今年のクリスマス商戦に向け、「昭和のおもちゃ」を復活させた商品が注目されるなど、ますます盛り上がりを見せているのです。

■個性豊かな昭和の自動販売機 カレーの盛り付けができるすごい技術も


神奈川県相模原市の「中古タイヤ市場」にもなぜか人だかりが。お目当ては昭和時代に製造されたレトロな自動販売機。

大阪から来た2人組が買ったのは、箱もレトロでかわいいと人気の「ハンバーガー」(280円)。


20代
「ハンバーガーの字体とかめっちゃかわいい」

30代
「パンはちょっと湿気でふにゃふにゃなんですけど、それがまた懐かしい」


続いて20代の女性が選んだのは、こんがり焦げ目が付いた「ハムチーズトースト」(300円)。

他にも定番の天ぷらそばや子供に人気のかき氷、さらに味噌汁まで。タイヤ交換の間に楽しんでもらおうと集めていたら、増えちゃったそうなんです。

コンビニが普及する前に活躍した昭和の自販機には、スゴイ技術も。
カレーが盛り付けられた状態で出てくるレアな1台。


中はどうなっているのかというと、レトルトパウチを自動で開封し70度で保温されたご飯の上にルーがかかる、当時としては画期的な技術。
昭和37年に発売された「オリエンタルマースカレー」という、昔ながらの一皿です。

40代
「(子供達が)見たことないと思ったので連れてきたくて」

10代
「知らないものが多くて面白かった」

昭和世代には懐かしく、平成世代には新しく感じられるレトロ自販機。


その数、100台以上を6年かけて設置したのが社長の斎藤辰洋さん。お気に入りの1台はシャープ製だという、うどんとそばの自販機です。中に入れる具材は自分で決めているんだそう。

中古タイヤ市場 相模原店 斎藤辰洋さん
「山菜そばが大好きで」


この自販機のすごい所は山菜がこぼれないように、繊細な動きで絶妙に優しい湯切りをしてくれるところ。温かいつゆがかかった、どこかほっとする山菜そばは1杯350円。

中古タイヤ市場 相模原店 斎藤辰洋さん
「今の自販機と違って、個性がすごい自販機ばっかりなんですね、昔の。色にしても、デザインにしても、そういう所が魅力なのかなと」