5年前、東京・池袋で乗用車が暴走し11人が死傷した事故。車を運転していた飯塚幸三受刑者が先月、亡くなっていたことがわかりました。事故で妻と娘を亡くした松永拓也さん。「加害者の経験も無駄にしない」と語る、いまの心境を伺いました。

松永拓也さん「正直、複雑な気持ち」 飯塚幸三受刑者が死亡

松永拓也さんは25日、亡くなった妻の真菜さんの故郷・沖縄県で行われた犯罪被害者支援の講演でこう切り出しました。

松永拓也さん
「ご存じの方もいるかもしれませんが、彼(飯塚受刑者)は先月26日に刑務所で亡くなりました。正直、複雑な気持ちです」

2019年、真菜さん(31)と娘の莉子ちゃん(3)の命が失われ、9人が重軽傷を負った池袋暴走事故。

車を運転していた当時87歳の飯塚幸三受刑者が死亡したことについて、松永さんは「複雑な心境だ」と話しました。

松永さん
「ご冥福をお祈りしたいと思いますが、これも悲しいことだと思うんですよね。人の命を故意ではなく奪ってしまって、刑務所に入って、家族に看取られることもなく刑務所で亡くなっていく。きっと無念だったと思う。もちろん妻も娘も無念だったと思う。もっと生きたかったと思う」

事故の1年前の父の日に撮影された動画には…

莉子ちゃん「せーの、父の日、ありがとう」
拓也さん「何、お父さんに?」
莉子ちゃん「うん」
拓也さん「ありがとう」
拓也さん「あら嬉しい、これ莉子が書いたの?うわあ、ありがとう。莉子ありがとう。嬉しい」