27日に投開票が行われた衆議院議員選挙についてです。
“与野党一騎打ち”の構図となった高知県内2つの小選挙区では、1区で中谷元(なかたに・げん)さん、2区で尾﨑正直(おざき・まさなお)さんと、それぞれ自民党の前職が当選を果たしました。また、比例四国ブロックでは、公明党の前職・山崎正恭(やまさき・まさやす)さんが当選しました。

自民党の前職・中谷元さんと、立憲民主党の元職・武内則男(たけうち・のりお)さんが立候補した、高知1区。大勢は、投票が締め切られた午後8時すぎに、判明しました。

得票数は、中谷元さんが8万9110票、武内則男さんが5万5750票で、自民党の前職・中谷元さんが立憲民主党の元職・武内則男さんを破り、12回目の当選を果たしました。


(リポート 六車はなこ 記者)
「『当選確実』がでている、中谷元さんのセレモニー会場です。中谷さんは、防衛大臣の公務のため、オンラインでの参加となります」

(中谷元さん)
「防衛大臣に就任しまして、緊急事態での公務があるということで、選挙中は全く地元に帰ることができずに大変申し訳ございませんでした。日本の『防衛戦略』『防衛力整備計画』をつくった矢先でありますので、さらにこういった『抜本強化』を行っていけるようにしたい」

小選挙区で敗れた武内則男さんは、比例代表での復活当選を信じ、日付が変わっても待ち続けましたが、及びませんでした。

(武内則男さん)
「金権腐敗の続いてきた自民党の『政治とカネ』の問題、こうした政治にちゃんと終止符を打って、真っ当な政治に変えていく。このことは、本当に多くの有権者の皆さんからも、共感をいただき激励もいただいてきた戦いだった、と思います」

そして、日本共産党の新人・浜川百合子(はまかわ・ゆりこ)さんと、自民党の前職・尾﨑正直(おざき・まさなお)さんが立候補した、高知2区は…。


(リポート 京面龍太郎 アナウンサー)
「いま、当選確実となりました、尾﨑正直さんが会場に姿を現しました。妻の圭子さんも一緒です」
得票数は、尾﨑正直さんが10万2501票、浜川百合子さんが4万3394票で、自民党の前職・尾﨑正直さんが共産党の新人、浜川百合子さんを破り、2回目の当選を果たしました。


(尾﨑正直さん)
「今、『政治とカネの問題』以外にも、日本は大変大きな問題を抱えている。それに対して、どのような対処をすべきなのかについて訴えてきたわけでありますが、高知のような地方でも、全国の地方の中の地方でも『うまくいく』、そのような地方創生政策をぜひつくり上げていきたい」

一方、敗れた浜川さんですが、清々しい表情で支援者に挨拶しました。

(浜川百合子さん)
「政治への強い不信感とか怒りというものが、どこの候補者に託されるのか。本当に検討された結果だとは思っています。『暮らしを立て直してほしい』『信頼できる政治を作ってほしい』その願いを託していただいたとも思っています。私自身の力不足もありますが、県民の皆さんからのこういう結果を受け止め、頑張っていきたいと思います」

そして、比例四国ブロックでは、公明党の前職・山崎正恭(やまさき・まさやす)さんが、2回目の当選を果たしました。

(山崎正恭さん)
「今までと同じようなことをしていては、次は無い。この2期目、しっかりと生まれ変わった決意で国民の皆さまのもとに、四国の皆さまのために、全力で頑張ってまいりたい」


中谷さんと同期で、過去には金融担当大臣や農林水産大臣も務めた山本有二さんは、今回、比例四国ブロックの単独候補として挑みましたが、当選とはなりませんでした。山本さんは「期待に沿えず申し訳ない。この結果は、一重に私の不徳の致すところであり、これからのことはまだ考えが及ばず何も決めていないがおそらく政界からは身を引くこととなると思う」とコメントしています。

今回の衆院選の高知県内の投票率は「51.97%」で、前回の2021年を5.37ポイント下回りました。選挙区別では、高知1区で49.59%。高知2区で54.59%でした。


高知2区で2回目の当選を果たした尾﨑正直さんは、当選から一夜明けた28日朝、事務所のスタッフに拍手で迎えられました。厳しい選挙戦を終え安堵した表情でしたが、「これからが正念場」だと話します。

(尾﨑正直さん)
「やっぱり、こういう形で当選させていただいたのは、本当にありがたいことでありますね。本当にありがたいなと思いますが、大きく見出しになっていますように、『自公で過半数割れ』という状況ですから、このことは本当に厳しいですね。本当に、様々、スピード感を持ってしていかなければならない仕事がたくさんある中で、こういう状況になってしまって、本当に申し訳ないことでありますが、『この中でどうやって政権をしっかりと運営していくか、立て直していくか』。ちょっと、これからが本当に正念場になりますね」

27日夜は、遅くまで開票速報を見ていたという尾﨑さん。仲の良い同期議員の得票状況や、政権与党の「過半数割れ」などが気になり、なかなか寝付けなかったといいます。“疲れ”もありますが、「厳しい状況だからこそ県民の負託に応えるべく全力で仕事に取り組む」と意気込みます。
(尾﨑正直さん)
「今後の政界のこと、もっと言うと、日本の政治のことを思いますとね、非常に心配になって、どうでしょうね…、3時間ぐらいしか寝てないと思いますけどね。特に、こういう厳しい状況だからこそ、本当に『必死の思いで頑張らないといけないな』と、そう思うところです。僕も、最初に当選した時は、『国会議員』ってどういう感じかまだわからなかったところもありますが、1期やらせていただき、だいたいどういう感じかわかってきましたので、2期目は、初めから、なんと言いますか、“フルスロットル”で仕事ができますよう、頑張りたいと思います」















