飛込の日本学生選手権が4日、大阪・丸善インテック大阪プールにて行われた。世界選手権銀メダリスト・金戸凜(19)が、女子3m飛板飛込予選に出場し、女子世界最高難度の新技に挑戦した。

予選の最終5本目に金戸は、大技“5337D”(前逆宙返り1回半3回半ひねり自由型)を披露。点数こそ伸びなかったが、難度の高いひねり技をしっかりと決めて入水した。この5337Dは、現役女子選手最高となる難易率3.5。世界でも金戸以外に1人しか実戦で使用していない大技だ。金戸はかねてから練習を重ねていたが、試合での演技は今回が初めてで、予選は5本の演技の合計点で3位につけ、決勝進出を決めた。

金戸は、決勝でも再び新技“5337D”に挑戦。予選よりも点数を伸ばし、全体で2位に入った。初めての挑戦を終えた金戸は「成功率も低い技なので、まずは点数をもらえたことに満足してます。練習ではクオリティが良いものがあったので、それができればどのくらい点数がもらえるのかなと。まだデビュー戦なのでもっともっと経験を積んでいきたい」と振り返った。

金戸は現在、日本大学1年生。7月の世界選手権では、三上紗也可と出場したシンクロ3m飛板飛込で銀メダルを獲得した。祖父・俊介さんと祖母・久美子さんは60年ローマ大会、64年東京大会の五輪代表。さらに、父・恵太さんと母・幸さんも88年ソウル、92年バルセロナ、96年アトランタの五輪代表という飛込一家に生まれた。24年パリ大会で3世代での五輪出場を目指している。