寒河江市では、6日に、本格的なクライミングジムがグランドオープンしました。
障がいのある人の就労支援とクライミングが融合した、新たな施設の特徴を取材しました。
先週グランドオープンした寒河江市の「ノバリア」。


クライミングやボルダリングを楽しめる本格的なジムです。
こちらはリードクライミングの設備です。壁についている「クイックドロー」というものに自分のロープをひっかけながら登っていきます。壁の高さは地上から17メートルもあり、日本最大級の設備だということです。

通常、リードクライミングは二人一組で行う競技ですが、こんな設備も整っています。
ノバリア 畑原庸佑 店長「オートビレイという機械も備えている。オートビレイというのは二人一組ではなくて、ビレイヤー(登り手の安全確保を行う人)の役目を機械で行ってくる。一人で来てもロープクライミングは楽しめる」

他にも初心者や子どもでも楽しむことのできる難易度の低い壁や、自分でルートを考えて登ることのできる「まぶし壁」など5つのエリアがあり、幅広い年齢層が楽しめる施設となっています。

そして設備以外にも大きな特徴が。
ノバリア 畑原庸佑 店長「この施設は、就労継続支援A型といって、障がいのある方々が一般企業への就職を目指して訓練をする施設になる」
スタッフの中には障がいのある人が8人いて、接客はもちろん、登り方の補助まで行っているそうです。

ノバリア スタッフ 庄司大和さん「スタッフ同士も仲が良くて、お客さんの方とも本当に友達感覚みたいな感じで話したり、楽しく仕事をさせてもらっている」

この日はオープニングセレモニーが行われ、パラクライミングのレジェンド、盲目のクライマー、小林幸一郎さんのデモンストレーションが行われました。

ここでの補助についたのは先ほど登場した庄司さんです。
目が見えない小林さんですが、下からの声を頼りにぐんぐん登っていき、あっという間に15メートルの壁を登り切りました。
ノバリア スタッフ 庄司大和さん「どのように楽に(ロープを)出させてあげるかというのを考えながらやっていて、目が見えない方でもロープ出しますと言ってくれれば、無理のない程度で出しすぎず、出さなすぎずという塩梅でやってます」

就労支援とクライミングという、全国的に珍しい施設の「ノバリア」を、関係者は地域の活性化にもつなげたいと話します。
ノバリア 畑原庸佑 店長「ノバリアという名前は「No Barriers」という英語からとっています」

「みんな平等という思いを込めて付けたんですが、障がいのある方も、ない方も、年齢も性別も関係なくいろんな方に来ていただいて、そしてまだクライミングをやったことがない方もどんどん来ていただいて、クライミングというスポーツをたくさんの人に知ってもらいたい」
寒河江市に完成した本格的なクライミングジム「ノバリア」。障がい者と地域との新たな関わり方を生む施設として、注目です。
