今年、山形県内のさくらんぼ収穫量は例年を大きく下回る見通しです。
そんな中、生産者を悩ませたのが、高温の影響で実が二つに分かれてしまう「双子果(ふたごか)」です。
県では、双子果を減らす実証実験に取り組んでいて、きょう、その様子が公開がされました。
対策について効果の期待がある一方、農家にとってはさまざまな課題もあるようです。
県によりますと、さくらんぼの双子果は花芽がつくられる7月中旬から9月上旬にかけて高温や乾燥が続くと発生しやすく、日の光を遮るほど、発生を抑えられるということです。

しかし、遮光率を上げるほど実が小さくなってしまう傾向があり、県が課題としています。

天童市のこちらの園地では今年、去年よりも多くの双子果が発生しました。

そのため、先月から実証実験として、遮光率がちがうネットでさくらんぼを覆うほか、温度を下げるために木の上から水をまく作業を実験的に行っています。

県農林水産部園芸大国推進課 伊藤祐幸 課長補佐「これからも高温の夏が続く予測もあるので、そういった温暖化等に対応してさくらんぼをこれからも安定して生産していくためにはこういった対策も必要だと」

天童市でサクランボを育てる 須藤淳哉さん「労力もお金もかかるけど、こういうことをしていかないと、これからのさくらんぼ栽培は厳しくなってきていると実感はある」

須藤さんによりますと、遮光資材の設置には数十万円かかり、コストのかかる対策だと言います。
天童市でサクランボを育てる 須藤淳哉さん「いっぱいならなくてもいいので、例年並みに、今年はいいさくらんぼがしっかりとれたなという年にさえなってくれたらいいなと」
今回の実証実験は、来年5月ごろに結果がわかるということです。
県では、資材普及のため費用の助成を行うなど、さくらんぼ農家を支援していきたいとしています。
