香川県が全国で初めて施行した「ネット・ゲーム依存症対策条例」=いわゆるゲーム条例は憲法違反だと、2年前高校生だった男性らが損害賠償を求めた裁判に判決です。高松地方裁判所は「条例は合憲」として訴えを退けました。



子どものネットやゲームを条例で制限するのは憲法違反か、注目を集めた裁判です。高松市の高校に通っていた現在19歳の男性と母親は、「香川県のゲーム条例により、子どもや保護者の自己決定権など基本的人権を侵害され精神的な苦痛を受けた」として、160万円の損害賠償を求めていました。


香川県が2020年に施行したゲーム条例。ゲーム依存症への対策として18歳未満のゲームは「平日60分、休日90分」などと示し保護者の努力義務を定めています。


裁判で原告側は「ゲーム依存症の定義や時間制限の根拠が不明確で、条例に正当性はなく憲法違反」とする一方、県側は「条例には相当の合理性がある上、努力目標で、権利を侵害するものではなく合憲だ」として請求の棄却を求めていました。


きょう(8月30日)の判決で、高松地裁の天野智子裁判長は、「ネット・ゲーム依存症は予防や治療を必要とする場合があるのは明らかで、香川県が保護者に努力を促す条例を作ったことは合憲である」と県の主張を全面的に認めました。

また損害賠償については、「ゲームをすることは憲法で保障された権利ではなく、条例は努力目標で原告も遵守しておらず、制約を受けていない」として原告の請求を棄却しました。


原告の男性は、きょう(30日)の裁判には参加せず、判決に対するコメントは出していません。香川県の浜田知事は判決に対し「県の主張が認められたもので、条例の一層の理解促進に努めたい」としています。