SDGs達成期限の2030年に向けた新たな価値観、生き方を語る今回の賢者は空手家の清水希容氏。9歳から空手を始め、技の正確さや力強さを競う「形」で世界選手権2連覇、全日本選手権で7連覇を達成。2021年に行われた東京オリンピックでは「女子形」で銀メダルを獲得するなど、多数の大会で活躍してきた。24年5月、「空手家として鍛錬するため」に引退した清水氏に2030年に向けた新たな視点、生き方のヒントを聞く。

前編・後編の後編】

出産後復帰が少ない日本。スポーツ界のジェンダー平等は?

――続いてお話していただくテーマは何番でしょうか。

清水希容氏:
はい。5番の「ジェンダー平等を実現しよう」です。

――実現に向けた清水さんの提言をお願いいたします。

清水希容氏:
「『ママアスリート』と呼ばない社会へ」です。

――ズバリどんな理由からでしょうか。

清水希容氏:
私ももう今年で31歳になるんですけども、この年齢になってくると、特に女性アスリートが競技を退くっていうような話が出てくるんです。日本の女性アスリートが出産後、競技に戻ってくるっていう事例が少ないなっていう。

その中で海外はいつの間にか子どもを産んでいて、普通に戻ってきて競技に復帰していて、結果も今まで通り残していたり、今まで以上の選手が結構普通にいます。

海外は40歳とかになっても普通に競技やっている方が多い中で、日本は30歳になると大体もうそろそろ結婚かあとか出産かって言われだすラインになってくるんです。

――親なのは同じはずなのに、日本では子どもの面倒を旦那さんが見てくれたら、その旦那さんはいい人ってなりがちです。そういう背景も含めて、女性アスリートが出産を経て戻りにくいのかなと。

清水希容氏:
出産をしたら女性が子どもを見るっていう流れはだいぶ今は減っているとは思うんですけども、アスリートになると自分が体を動かさないといけない。出産前後で体の状況が変わる中で、それをどこまで作り直していくかも普通よりもいろんな知識がある方や、専門家の方たちの力を借りないといけないと思うんです。

海外は当たり前にある感じが、日本はそこまで多いのかなって思ってしまう部分があったり、実際に自分の周りも辞めてそのまま家庭に入る方が多い感じなので、なんかもったいないなとか。選手だけじゃなくてコーチに戻ってくるのも男性が多かったり、出産した後に女性が戻ってくる率がちょっと少ないというか、私的にはもっと増えてもいいんじゃないかなというか。

他の国だったら国絡みでそこをサポートしていたり、旦那さん、奥さんの話だけじゃなくてもっと広いところでサポートをしてもらっているみたいなことをよく聞くので、日本もそういうふうになったらいいのになって思ってはいます。