富山市の小中学校再編計画に関する動きです。学校の統廃合をめぐっては、多くの地区で反対の意見が目立ちますが、八尾地域のある地区では住民たちが統合の是非を考える協議会を26日発足させます。

富山市八尾町の中山間地、小長谷にある樫尾(かしお)小学校。

記者:
「樫尾小学校、きれいですね」


黒瀬谷地区自治振興会 宮田好一さん:
「12~13年前に建てられて新しいですね。こういう小学校建ててあるのに、統合の話をしなければならないというのは、あまり、いいことではないけども」

地元、黒瀬谷(くろせだに)地区自治振興会会長で、樫尾小学校出身の宮田好一(みやた・よしかず)さんです。

黒瀬谷地区自治振興会 宮田好一さん



樫尾小学校は13年前に新校舎が建てられ、校内は無線LANが導入されるなど環境が整う一方、今年度の全校児童は25人です。


人数が少ないため、隣の校区で多くの児童が通う八尾小学校に進学する児童も増えています。

黒瀬谷地区自治振興会 宮田好一さん:
「やっぱり中に子どもたちがおってはじめて学校なので、地区のシンボルなので、なくなれば寂しいことですけども、こればかりはどうしようもないね」



富山市教育委員会の計画では、樫尾小は八尾小、もしくは杉原小との統合する案が示されています。

樫尾小の校区では、今夜宮田さんが中心となって児童クラブの代表者ら、住民たちで構成する協議会を立ち上げます。その真意は…。

黒瀬谷地区自治振興会 宮田好一さん:
「自治振興会の立場から言えば、小学校は絶対残せと言いたいんですけど、子どもたちのことを考えれば、まあ、考えていかんなんかな。極端に言えば反対という声は聞こえてはこないというか」



賛否だけでなく、統合された場合の地区の今後について話し合う必要があるといいます。

黒瀬谷地区自治振興会 宮田好一さん:
「本当にこの小学校がなくなったらどうなるのか、この地区がどうなるのかということに関心を持ってもらうためにもこの協議会を利用したいと思っています」



富山市の学校再編をめぐり住民たちが自主的に協議する場を設けるのは、この樫尾小学校の地区が初めてとみられます。

市側が開いてきた住民説明会では、多くの地区で反対意見が目立っていましたが、樫尾小校区は賛成の声が多いということです。