みなさんが暮らす町にも必ずある役所や役場。高知で最も古いと考えられる役所の跡が高知県南国市で見つかりました。

およそ31万人が暮らす高知市。行政の中心部は高知市役所です。高知県安芸市には2023年、ピカピカの新庁舎が落成しました。みなさんの町に必ずある役所や役場。では、高知県で最も古い役所はどんなものだったのでしょう?

それがこちら。

南国市篠原にある若宮ノ東(わかみやのひがし)遺跡です。

南国市が今年4月から行っていた発掘調査の結果、門や、建物の柱の跡が見つかり、この場所に7世紀後半、飛鳥時代に建てられた古代の役所=「評衙」があったことがわかりました。「評衙」の跡が見つかるのは県内では初めてです。

(南国市教育委員会 油利崇さん)
「高知県でいちばん古い役所と言えると思います」

古代の役所だと判断できる根拠は、柱と柱の間隔が3mと均一で、まっすぐに建てられていること。これは、当時寺院や役所などの重要拠点でしか使われない建築技法で、立派な建物だったことが推測されます。

(南国市教育委員会 油利崇さん)
「当時の最先端の技術で測量して、きれいに配置を決めて、整然と建物が建てられていたようです」

「評衙」からは、土器など人が生活していた痕跡は見つかってはいません。ではこの場所でどのようなことが行われていたのでしょうか。

(南国市教育委員会 油利崇さん)
「政や儀式的なことをやっていたんだと思います。最も神聖な場所として使われていたようです」

「評衙」が建てられた背景には7世紀中盤に中大兄皇子らが行った改革、「大化の改新」が密接に関わっていると言われています。

(南国市教育委員会 油利崇さん)
「大化の改新のあと、日本は中央集権国家を目指そうとしますので、その中で地方に役所を置くよう指示されて建てられたんだと思います」

当時の高知県を誰が治めていたかは文献にも残っていませんが、ここには確かに役所が存在していて。飛鳥時代の足跡を感じることができます。

南国市篠原では区画整理が進められていてこの場所にも、住宅が建つ予定になっています。

南国市教育委員会では3日、周辺住民などに現地説明会を行う予定です。