新型コロナの新規感染者はお盆前後から急増し、発熱外来の現場では診察の申し出を断らざるを得ないケースも出ています。取材してきました。

富山市婦中町にある富山西総合病院です。新型コロナの検査、診断を行う「発熱外来」を設置しています。

毛田キャスター:
「発熱外来の駐車場です。ドライブスルー形式で検査が行われ、現在、検査を待つ人で長い車列ができています」

駐車場に専用のスペースを設け、車内で医師による問診やPCR検査を行う富山西総合病院の発熱外来。

診療時間は平日の午前中のみで、受診に訪れる人は、これまで1日20人ほどでしたが、お盆前後からは70人ほどに急増しています。その多くが県外から帰省した人でした。

発熱外来対応の看護師:
「やっぱり帰省して一緒にご飯を食べたっていう感じのご家族さんが非常に増えております。なので県外の方が帰省されて受診されるパターンが多くなっております」

受診者の急増に伴い、発熱外来では医師1人、看護師1人だった体制を見直し看護師を増員したり、駐車場に誘導員を設置したりして対応に当たっています。

しかし、病院内でも感染者が出ていて、慢性的な人手不足が続いていると言います。

看護師:
「当院の職員なり、職員の家族がコロナになり、お休みされているので、職員のトータルの人数は減っていて、どこも大変な状況になっております。発熱外来もなかなか大変な中で運用している状況になっています」

病院側が最も頭を悩ませているのが電話なしの受診希望者です。

富山西総合病院では混雑を避けるため、受診を希望する人に事前の電話連絡をお願いしていますが、電話なしで受診に来る人が後を絶たず、診察を断らざるを得ない状況が続いています。

誘導員:
「発熱外来受診の方ですか。お電話いただいてない方は今お受けできない状況です」

看護師:
「一番困ることは電話なしに直接来られて、事前の説明を聞いてないから説明に時間がかかってトラブルになることもよくありますし、濃厚接触者になって症状全くなくて検査してほしいという方もおられるんですけど、うちは発熱外来ですので、症状ある方を診ておりますので事前にちゃんと電話していただきたい」

※尺長原稿

富山西総合病院では、今月15日から設けた新型コロナの専用病床も22日時点で8床すべて満床となっています。

特に、高齢者の入院患者が多く、介助する看護師の負担も大きいということです。

発熱外来はあくまで高熱や倦怠感といった新型コロナの症状がある人を対象にした診察の窓口です。

無症状の人は濃厚接触者でも受診できません。受診を希望する方は富山西総合病院に限らず事前の電話連絡をしていただきたい。