日本の作品として初めてアカデミー賞の視覚効果賞を受賞した「ゴジラ-1.0」。核実験で巨大化したゴジラが、戦後直後の東京に上陸します。核開発や反核のうねりの中で誕生した1954年公開の初代「ゴジラ」を意識したという山崎監督。原爆と向き合うきっかけになったのは、夏休みに親戚のおばさんに買ってもらった漫画でした。

山崎貴 監督“はだしのゲン” だったんですよ。子どもですから怖くて、怖いんだけど、読み進めちゃって、あまりの悲惨さに、何か強烈なひと夏の思い出があるので、やっぱり原爆というものに対しての何か『恐怖』と、『いったい、あれはどうしてそうなってしまったのか』ということも含めて非常に思いは強いですね」

山崎監督は、このインタビューの前日、久しぶりに広島市の平和公園を訪れていました。

山崎貴 監督「太陽光線が強かったんですよ。木漏れ日を歩いていると、おそらく今のような『平和』で『夏』という、この空気が突然変わったのだなと、この場所で突然変わったんだなという思いが、逆にすごく濃密に迫ってきて、そこに何か強い思いが残っているような感じがしました」