先進国の中でも医師の数が少ない日本。医療現場の負担を少しでも軽くしたいと高校生が2つの電子機器を開発しました。現場の医師も期待を寄せています。
記者
「いま聞いていただいているのは、私の心臓の音です。高校生が開発したデジタル聴診器は音をデジタル化して、画面に表示し、目で見て確認することができます」
静岡県立島田工業高校です。放送技術班の生徒たちは、健康と福祉をテーマに電子機器の開発を進めています。
3年 三輪勇太さん
「音を電気信号に変えるセンサーを搭載している。電気信号をデジタル化→モニターで可視化」
生徒たちの自信作「デジタル聴診器」です。赤い色は、聴診器がとらえた低い音を示し、心臓の鼓動の強さを確認することができます。
3年 三輪勇太さん
「下の画面は赤が薄く、心臓の力が弱いことが分かる」
患者が自宅などで使うことも想定しました。インターネットを利用して、データの共有ができます。
循環器内科の医師は、医師の負担軽減につながると期待します。
甲賀病院 循環器内科 遠藤彰 部長
「不整脈や心臓の異常は出たり引っ込んだりする。『おかしいぞ』と思ったときに自分で使用して、診察の時に資料として持ってきてもらうと診断や治療に役立つ可能性はある」
デジタル聴診器は去年、「全日本学生児童発明くふう展」で奨励賞を受賞しました。
2年 曽根光葵さん
「静岡は全国的にみても人口あたりの医師の人数が少ないと聞いたので、医療従事者の方たちの負担を減らせるような機械を作ろうとみんなで研究をし続けています」
そして、今年は「耳鳴り抑制装置」が賞を取りました。
2年 曽根光葵さん
「耳鳴りの周波数と逆のノイズを発生させて、聞いてもらうことで耳鳴りの症状を緩和することが狙い。この装置は、誰でも簡単に使えるので『軽い不調は自分で手当てする』というセルフメディケーションにつながる」
開発のきっかけは、クラスメイトが耳鳴りの症状に悩んでいたこと。課題研究で学んでいる舞台音響の技術や知識を応用しました。
医師は、耳鳴りの周波数と逆のノイズを利用する音響療法はユニークな発想だと話します。
甲賀病院 耳鼻咽喉科 平原信哉 医師
「将来的に日本にも約300万人いるといわれる耳鳴り患者の治療の選択肢のひとつになればと期待している」
開発した電子機器は業界で話題となり、企業などが視察に訪れています。
生徒たちは、きょうも新しい機器の開発や改良に励んでいます。
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