大型クルーズ船の入港に合わせインバウンドビジネスの展開を考える事業者を対象とした視察会が12日、長崎市で開かれました。

12日朝、長崎港に入った大型クルーズ船「スペクトラム・オブ・ザ・シーズ」
総トン数は16万9千トンで、長崎に入港する“最大級の客船”です。

長崎へのクルーズ船入港は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2022年はゼロでしたが、去年は3月に入港が再開され《年間96隻》が入港。ことしも12日までに《71隻》が入港しています。

国も来年、入港回数がピークだった《2017年並み》に戻すことを目指していて、これをチャンスと捉え、インバウンドビジネスの展開を考えている事業者を対象とした視察会が12日、開かれました。

長崎国際観光コンベンション協会 担当者:
「外国のクルーズ船会社がやっている船と、日本の会社がやっているのを分類したら、長崎って外国の船が多いんですよ」

長崎国際観光コンベンション協会の担当者が、欧米とアジアの観光客の買い物の傾向やニーズの特徴などを説明しました。

松が枝国際ターミナルにブースを出店している事業者と視察会に参加した事業者の考えも様々です。

アニメグッズ販売ブース出店者:
「海外のお客さんからの関心も高いですし、船の乗組員の方がお土産にというパターンもうちは多くて」

焼き物等販売ブース出店者:
「もうちょっと(ターミナル周辺を)整備しないと。船が来るだけで満足されているから」

察会参加者(飲食関係):
「(店舗の)場所が新地なので、船が入ればちょっとは影響あるかなと思って来てみたんですけど、メニューから英語を作らないとと話しているところです」

「いろいろ説明聞いて、ここだけだったら素通りしていかれるので、行った次の場所とか、体験してもらうとか、そういうのにつなげればなと」

12日参加した事業者のうち、アンティーク着物を取り扱う新地中華街にある店舗では、インバウンドビジネスに必要とされる英語や中国語表記のポップ、キャッシュレス決済を導入しています。

アンティーク着物 べっぴん 田川明美店主:
「(キャッシュレス決済導入で)売り上げが全然違います、みなさんほとんどキャッシュレス。日本の方でもですね。お金を持ち歩かず、それ(キャッシュレス)だと購入されます。徐々に(インバウンドのお客さまも)増えています」

ターミナルへの出店を検討しつつも、告知を広くできることで訪日外国人の来店を増やすことができると考えています。

田川さん:
「(ターミナル内で)何らか(告知物が)配れればいいのかなと思ったんですけど、制限がいろいろあるみたいで。今後の課題です」

ことし、長崎港に入港を予定しているのは去年のおよそ1.8倍にあたる171隻で、コンベンション協会では視察会を今後も開催し、事業者のビジネスチャンス拡大につなげたい考えです。