県内最大の政治決戦、9月11日の県知事選挙まで1か月。
これまでに有力な3人が名乗りを上げ、県政与野党の一騎打ちの構図が崩れる展開となっています。対決の構図と主な争点を紹介しますー

玉城デニー知事
「2期目の出馬を正式に表明させていただきます」

現職の玉城知事。最重要課題とする子どもの貧困問題の解決など「誰一人取り残さない施策」を進めるとして、県政与党の支援を受け2期目を目指し、知事選への出馬を表明しました。
玉城デニー知事
「県知事としてあらゆる課題の解決に挑戦し、ぶれず、ひたむきに、県民の暮らしと笑顔と、県政発展のため、全身全霊で取り組んでいくことをここに誓い、出馬の表明といたします」
佐喜眞淳さん
「今の危機は、県政によってもたらされた、県政危機に他ならないと私は考えております」

前宜野湾市長の佐喜眞さんは、自民党の知事候補を選ぶ公開演説会で新型コロナで落ち込む経済の復興のほか、貧困の根絶など県民の生命と暮らしを守ると訴え、2度目の知事選挑戦を決めました。
佐喜眞淳さん
「県民の誰もがチャレンジでき、幸せを感じられる沖縄をつくる、県民の命と暮らしを守るという強い覚悟をもって、私は県知事選挙に立候補を致します」
下地幹郎さん
「私は今度の9月の11日に行われます知事選挙に立候補させていただくことになりました」

前衆院議員の下地さん。昨年の衆院選など、これまで保守の立場から選挙に臨んできましたが、今回は「オール沖縄」や政権与党とは異なる立場で、沖縄の課題解決を進める姿勢を強調しています。
下地幹郎さん
「この選挙、下地幹郎の全てを懸けて、沖縄の全てを変えていく。そういう気持ちで頑張っていきますから、皆さん一緒になって沖縄を変えていきましょう」
今回の知事選、各立候補予定者はコロナ禍での経済の回復、くらしの安定などを掲げますが、三者三様、大きな違いを見せるのが、普天間基地の辺野古移設についてです。
玉城デニー知事
「世界一危険と言われる普天間基地は県外・国外への早期移設を含め、普天間基地の機能移転を優先させる整理縮小、閉鎖返還を政府にさらに求めてまいります」
佐喜眞淳さん
「普天間飛行場を1日も早く返還し、基地の負担軽減、危険性の除去であります。今進められてる辺野古工事は、現実的に言えば、もうここは認めざるを得ないと思います」
下地幹郎さん
「辺野古の問題も私は軟弱地盤をやらせない、止める。26年間争っているものを終わらせて、もう県民にこれ以上、二分したこの戦いをさせてはいけない」

普天間基地の辺野古移設反対を堅持する玉城さん。4年前の知事選では明言を避けましたが、今回は容認の立場をとる佐喜真さん。すでに埋め立てが終わった区域は格納庫用地にし、軟弱地盤を埋め立てず、鹿児島県の馬毛島へ訓練移転を訴える下地さん。

投票まで残り1カ月、今後各陣営の政策論争が本格化していきます。このほか県知事選には埼玉県のコンサルタント、山口節生さんが立候補の意思を表明しています。
【記者MEMO】
今回の知事選では、コロナ禍のくらし、経済政策などに加え普天間基地の辺野古移設をめぐるスタンスの違いが大きな注目点になります。
玉城知事が普天間基地の県外・国外移設を求め、辺野古移設反対の立場。
佐喜真さんが普天間基地の早期返還実現のために辺野古移設容認。
下地さんが、辺野古移設について工事をストップさせ、鹿児島県の馬毛島へ訓練を移転するなど独自の案を主張しています。
当初、玉城知事と佐喜眞さんの一騎打ちかとみられていましたが、長年、衆議院議員を務めてきた下地さんが立候補を表明したことで、自民が擁立する佐喜眞さんとの間で保守票争いの行方も気になるところです。
一方、玉城知事も普天間基地の辺野古移設反対を掲げていますので、その部分では、移設工事をストップさせ、軟弱地盤は埋め立てさせないと主張する下地さんと重なる部分があるんですね。そこで、両者の辺野古移設に関する主張を有権者がどう評価するのかというのもポイントになっていきそうです。

9月11日投票の沖縄知事選まで1か月、今後、3人の論戦の行方に注目です。