
今年は福島県内でクマの目撃が相次いでいます。県警によりますと7日までの目撃件数は283件で去年の同じ時期と比べると43件増えています。そしてクマによる人的被害は9日までに3件発生していて県は会津若松市に「ツキノワグマ出没警報」その他の58市町村に「特別注意報」を出しています。
今回、7月にクマに襲われたという男性を取材することができました。その男性の話から分かったのはクマのある「変化」でした。

7月27日、会津若松市門田町御山の竹やぶの中で近くに住む89歳の女性が頭から血を流しているのが見つかり、その後死亡が確認されました。女性の頭や背中には引っかかれた跡が残されていてクマに襲われたとみられています。
県内で人がクマに襲われて死亡する被害は、2013年5月以来9年ぶりの発生となります。
実際に被害があった現場を訪れてみると・・・

井上和樹アナウンサー
「近所の人によりますと女性はこちらの畑で作業をするためにあちらの竹やぶを抜けようとしたところクマに襲われたとみられています。実際に現場見てみますとクマが隠れて移動するには十分なほど竹が生い茂っています。そして道幅もかなり狭いのでクマと遭遇した時おそらく逃げ場はなかったと思われます。」
そしてこの被害の4日後。西会津町でも人がクマに襲われる被害が…
■音が鳴っていても近づくクマ クマ鈴も万全じゃない

「こういう風に逃げようとしたら(腕を)ガブリと噛まれた」
西会津町に住む渡部雅二郎さん。7月31日林道の草刈りをしていたところ、やぶの中からガサガサっとした物音を渡部さんは耳にしました。
渡部さん
「イノシシかなと思ったらクマだった。クマがそこからドドドっと来た。本当に一瞬でしたこういう風に逃げようとしたら腕をガブリと噛まれた」
クマはその後すぐに逃げたため渡部さんは軽傷で済みましたが「まさか自分が襲われるとは思わなかった」と話します。

渡部さん「草刈り機みたいに音を出していればクマは寄ってこないと甘く見ていた。大きな音が鳴っていても寄って来るクマがいることが分かった。だからクマ鈴も万全ではない」
7月、会津若松市でクマに襲われ亡くなった女性も当時ラジオを鳴らしていたということです。
なぜ音を怖がるはずのクマが襲ってくるのか?