土石流被害から1年以上がたった静岡県熱海市の伊豆山ですが、自宅に帰ることができない住民がいまだ235人います。熱海市は8月7日から始まった住民説明会の場で、2023年夏の終わりごろには帰還できるという見通しを示しました。
<熱海市 斉藤栄市長>
「工事が予定通り進んだ場合には、令和5年の夏の終わりまでには警戒区域を解除できるのではないかと考えている」
斉藤市長が解除のタイミングを示したのは「警戒区域」です。「警戒区域」は災害対策基本法で立ち入りが禁止されているエリアで、2021年7月の土石流以降、伊豆山地区の一部の住民132世帯・235人が避難生活を余儀なくされています。
解除の見通しが立った理由として、現場に残ったままの土砂について、前の土地所有者が撤去命令に応じなくても行政代執行で2023年5月には撤去され「一定の安全性が確保できる」と説明しています。
警戒区域は、一括で解除されますが、住民の帰還は水道やガスなどのインフラ整備が済んだ地域から段階的に実施するということです。
<警戒区域 未来の会 中島秀人代表>
「良いにつけ悪いにつけ、日程が確定したというのは、被災者の方々が計画を立てやすくなるのではないかと思っている」
<警戒区域 未来の会 志村信彦副代表>
「期限がある程度わかったということで(高齢者はいないんですけど)子どもがいるので伊豆山の子でなくなってしまう前に早く帰れるようになってくれればいいな。それのある程度目途がついたかな」
また、熱海市は被災した住民の生活再建にむけた支援策を示し、2023年8月に期限を迎える応急仮設住宅などの家賃補助を継続することも明らかにしました。この住民説明会、8日は神奈川県の湯河原町で開かれていて、9日は熱海市で3回目を開催する予定です。
熱海市が警戒区域解除に向けたスケジュールを出したのは今回が初めてです。大きなポイントになったのが、現場に残った大量の土砂の撤去にめどがたったことです。
熱海市の説明では、「9月5日まで」に前の土地所有者が撤去に応じない場合は、「10月中には」行政代執行に乗り出すということです。
行政代執行であれば「2023年5月」には撤去作業の完了が見えてくることから、「2023年夏ごろ」には警戒区域内への帰還が見込めることになります。ようやく帰還への道筋が見えてきましたが、元通りの生活に戻れるまで早くても1年はかかることになります。
注目の記事
自分の名前も住所も思い出せない…身元不明の男女は“夫婦”か 2人とも“記憶喪失”状態 愛知・岡崎市が情報提供呼びかけ 「生まれは西三河」「長く関東で生活」と話す

クマ出没の画像、本当?嘘?見破れますか?フェイクニュースは“10年で100万倍増”騙されないコツを専門家に聞いた【AI×SNS 防災アップデート】

「本当は命を失う場所ではなかった」津波にのまれた指定避難所…震災を知らない大学生が被災地で辿る“後悔と教訓”の15年

【「公立いじめ」との声も】授業料無償化先駆けた大阪のいま…公立高校の約4割が定員割れ『私立有利・公立不利』の状況は“負のスパイラル”生む懸念【教育アドバイザー・清水章弘さん解説】

「私たち家族の楽しい思い出はすべて消え、苦しみや悲しみに変わった」娘を事故で失った小学校の元校長が訴える“命の尊さ” 修学旅行の引率中に「美果が交通事故で死んだ」と連絡が【第1話】

家族が死刑囚になったーー「殺人鬼の家族と呼ばれようとも」 残された両親と弟、過酷な現実の中で今も生き続ける









